双子を育てている親、とくにどうしても育児の負担が大きくなってしまうママなら、一度ならずともこんな風にストレスを爆発させた経験があるはず。
授乳や調乳、オムツ替え、寝かしつけの「お世話ループ」が2人分ともなると、一日はあっという間に過ぎていく。寝不足と疲れから心身ボロボロ。双子育児はとにかくハードなのだ。
双子を育てていく上での手抜きテクや、ストレスを少しでも軽減させるコツはあるのだろうか? 双子育児の実体験を描いたコミックエッセイ『双子の親になりました』の著者で漫画家・イラストレーターの三豊ちぇりさんに話を聞いた。
●2人同時進行のタイムスケジュールを組む
「私の場合は寝かしつけ、お風呂の時間、授乳とミルクのタイミングをなるべくずらさないよう2人同時に行うことで、生活のリズムが同じになるよう心がけました。いま振り返ると、新生児のころは2人とも性質がよく似ていたので、合わせやすかったのかも」(三豊さん 以下同)
双子は経過に問題がなければ、ほとんどの場合、同じくらいの出生時体重で生まれてくる。これはつまり年齢が離れたきょうだいよりも、生活のリズムをそろえやすいということ。退院後、1週間を過ぎたころから、授乳・お風呂・寝かしつけのタイミングを徐々に合わせていこう。
だが、そのためには最初の数カ月はパパ、もしくは誰か家族の手伝いが必要だ。とりわけ人手が必要な双子育児の場合は、パパの育児参加は絶対といっていい。育休を取ってもらうか、無理なら家族や自治体のヘルパーなどの助けを借りよう。
●0歳児のイベントは全部スルーしていい
『双子の親になりました』のなかでは、あまりに大変すぎる双子育児の日々に直面した三豊さん夫婦が、「もう0歳期はすべての行事を無視しよう!」と思い切った決断を下す場面も描かれている。
かろうじてお宮参りはしたものの、お食い初めやひな祭りなど初育児の「お約束」ともいえるイベントはすべてスルー。とにかく、「いまは生きることを優先」させた。
当時のことを、三豊さんはこう振り返る。
「『ひとり赤ちゃん(単胎)と同じようにしよう!』という考えを捨てて開き直ると、気持ちが楽になりましたね(笑)。離乳食も市販のベビーフードをよく利用していました」
「単胎の子と同じようにちゃんとお世話しよう」
「行事もきちんとこなさなきゃ」
双子の親になったら、そんな世間体や義務感はひとまず捨ててよし。省ける手間はどんどん省き、目の前にいる2人のお世話を優先しよう。その結果、2人がすくすくと健やかに育ってくれれば、その選択が正解になるのだから。
(阿部花恵+ノオト)