「子どもが園に行くのを嫌がる場合、必ず理由があると思ってください。特に、学年が変わるタイミングで登園しぶりが出るお子さんは非常に多いです。学年が変わって新しい先生になると、それまでの先生の接し方とは異なることがありますよね。その先生の対応が子どもにとって大切にされていないと感じたりすると、子どもはそれをストレスに思い、園へ行きたくないと言い出すのです」
こう教えてくれたのは、子ども相談室・モモの部屋主宰で、心理カウンセラーの内田良子さん。子どもといえども相性の問題は出てくるため、先生と合わないケースもあるそうだ。ほかにも、給食が合わない、同級生によるいじめ、運動会や学芸会などの行事、お昼寝が嫌、などの理由も多いとのこと。
「園の環境だけでなく、家庭環境の変化が影響することもあります。弟や妹が生まれると、いままでオンリーワンの存在で安定して親の愛情を受けていたお兄ちゃんやお姉ちゃんは不安になっています。そのため、自宅でお母さんの側にいたいとしぶるのです」
実は、子どもからすれば、園に行きたくない理由は明確にあるのだそう。
●登園しぶりは突然起こるのではなく、必ず理由がある
「子どもは、家の慣れた環境にいたいからしぶるのではありません。合わない人やストレスフルな環境にいることで疲労感を感じ、それをどう言葉にしたらいいのか上手に説明できないため、登園しぶりという状態になって出てくるわけです」
また、前日に夜更かしをさせてしまった、行楽地で長時間遊んだなどで疲れて、子どもがしぶることもある。
「子どもにとって楽しい時間を過ごして疲労した場合、その登園しぶりは一過性のものです。例えば、前日に遊園地に行って朝起きられなかったら、子どもが疲れていることを理解してあげてください。半日休みを取るだけで回復します」
登園しぶりは急に起こるのではなく、必ず理由があり必然的に出るもの。いま子どもに起きているトラブルを知り理解してあげることが、登園しぶりの長期化を防ぐ秘けつといえそうだ。
(ノオト+石水典子)