「もし登園しぶりをするようになったら『保育園に行きたくないんだね、なにか嫌なことがあるのかな?』と、まず子どもの気持ちを受け止めて原因を聞いてみてください」
こう話すのは、子ども相談室・モモの部屋主宰で、心理カウンセラーの内田良子さん。子どもが登園をしぶるのは、対人関係や環境の変化でストレスを感じている可能性があるという。
「登園しぶりが起こる理由には、頭痛や熱、腹痛などの体調不良によるケースも多くみられます。ところが、子ども自身がそれをうまく伝えられないために、親がそのまま登園させてしまっていることも少なくありません。すると、登園後に体調が悪化してしまうこともあります」(内田さん 以下同)
ほかにも子どもが登園をしぶる理由として、疲れていることが考えられるという。
「就労時間に通勤時間を加えた時間中、子どもは預けられています。小さい身体に負担がかかって当然です。お母さんが疲れていたら子どもも疲れていると考えてください。預けている時間が子どもにとって長すぎてはいないか、必ず配慮が必要です」
●子が登園をしぶったら、まずは親が休む勇気を持つこと
もし、登園しぶりが起きた場合、早めにお疲れ休みをするのが効果的。そうすることで子どもの疲れがリセットされ、また元気に登園できるようになる。しかし、そのような親の判断を鈍らせる理由のひとつとして、幼稚園や保育園に休まずに登園することがよしとされていることが大きいと内田さんは指摘する。
「親は保護者として子どもの心身の健康を守ることが第一です。たとえ幼稚園や保育園が休まずに連れてくることを勧めていたとしても、子どもに休む機会を与えられるのは親だけです。ひどく抵抗するときは無理なく休ませてあげましょう」
内田さんのところに訪れる相談者のなかには、「休ませると休み癖がつくのでは?」と心配する親も多い。しかし、子どもに理由があるときは無理に連れて行かずに、休みを取ったほうが、登園しぶりは短期間で終わります。
「登園しぶりは初期段階で対応することが大切です。親は仕事を休みにくいために無理やり園に連れて行き、子の状態が悪化し仕事をやめる羽目になるケースも…。長期的な目でみれば、ときどき休ませると子どもの気持ちや体力が回復すれば、またちゃんと通い始めますよ」
抵抗が強いときには、すっぱりと休ませることが効果的な登園しぶり。子どもが園生活をスムーズに続けられるよう、体調などを配慮しながらサポートしていこう!
(ノオト+石水典子)