「朝は時間に余裕がないので、お母さんがいらいらして子どもに接しがちです。でもそれは、子どもにとって怒られていることと一緒。大変だとは思いますが、子どもに理由を聞いてみてください」(内田さん 以下同)
実は、理由を聞くだけで子どもは安心するのだとか。とはいえ、子どもの行きたくない理由を知ってもワーキングママが急に休みを取ることは難しい。刻々と就業時間は迫っているし…。そんな余裕のないときは、自分の状態を子どもに相談するのも良いそう。
「『早くしなさい』ではなく、『早くお仕事に行かなくちゃいけないから、協力してくれないかな』と伝えてください。余裕がないことを伝えることで、子どもは親の状態をちゃんと理解し協力してくれるものです」
●登園準備は、子の意志を尊重する姿勢も大切
また登園をしぶる場合、子どもが体調不良であるケースもある。
「園に行くことを嫌がる場合、体調が悪いことも疑ってみましょう。子ども自身が自分の体調に気づいていないこともありえます。お腹を触って痛いのかを聞いてみたり、おでこに手を当てて、『ちょっと熱っぽいかな』と言ってから熱を測ったりすることで、子どもが自分の症状を知るきっかけになります」
また、「この服が着たい」「この髪ゴムじゃないと嫌」など、子どもがわがままを言い出すことがある。これは登園しぶりのひとつなのだろうか?
「これは、子どもが登園前に気持ちを整えている大切な準備です。『ピンクの洋服を着ていきたい』『戦闘服のような真っ赤の服』『かわいいふりふりを着ていきたい』と、毎朝主張は違いますよね。そのときの気持ちにフィットするものを選んでいます。もし、ママから見て、ちょっとおかしい服の取り合わせでも、子どもの気持ちにはぴったりなコーディネートです。ぜひ『洋服は心の鏡ね』と言ってあげてください」
また、好きなキャラクターは自分の分身であり応援団。朝に困らないよう、お気に入りのキャラの服やパンツは洗濯で困らないよう2枚用意しておくといいそうだ。
子どもといえど、ひとりの人間。子どもが何を感じているのか、自分はどういう状況なのかをきちんと対話することで、登園をしぶる理由と向き合うことが大切だ。
(ノオト+石水典子)