夫は性格、妻は家事負担。共働き互いへ言えぬ本音

夫は性格、妻は家事負担。共働き互いへ言えぬ本音

第129回 今日の注目を紹介! ママニュースアンテナ
内閣府男女共同参画局の調査によると、共働きの世帯数は年々増加傾向にあり、平成3年では877万世帯だった共働き世帯は、平成23年で987万世帯にまで増えているそう。女性も働きやすい世のなかになったことはもちろんだけど、増税や夫の賃金減少など、家庭の経済状況から、仕方なく…、という家庭も多そう。

しかし、これまで家庭を守ってきたママたちが、仕事の負担も増えるとなると、家事+仕事で負担が大きい気も。その分、パパたちの家事参加も進んでいるということ? 気になって、国立社会保障・人口問題研究所が2014年8月に行った「第5回全国家庭動向調査 結果の概要」を見てみると、夫と妻の家事分担割合は妻85.1%に対し、夫は14.9%。第2回調査時(1998年)は、妻88.7%で夫が11.3%だったので、うっすら伸びてはいるけれど、共働き世帯の増加に比べると、夫の家事分担割合の増加率はまだまだ足りないのかも。

でも、当の夫婦2人がそのバランスで満足しているなら、問題はないのだけど。共働き夫婦の満足度は高いのでしょうか? そこで、ママテナでは共働き世帯の549世帯に独自アンケート調査を実施。満足度や不満のポイントについて、調査してみました。

●約8割の夫婦が相手への不満を胸に秘めている

てはじめに、どのくらいの不満を感じているのか、調べることに。「あなたがパートナーに対し、本当は言いたいけれども言えず、胸に秘めている不満はありますか?」と質問したところ、「ある」と回答した妻は76.7%、夫は77.3%となった。ちなみに年代別に見ると、妻は35~39歳がもっともパートナーへの不満が多く、79.9%だった。

では、どんなことに不満を感じながら、言えずにいるのだろう…? その内容を明らかにすべく、冒頭家事の分担以外にも様々な選択肢を用意し、「不満がある」と回答した人に、その内容について選んでもらったところ、妻・夫上位5項目は以下の通り。

●妻が言えぬ夫への不満
1位 家事分担への偏りについての不満 59.2%
2位 相手の性格に関する不満 50.4%
3位 育児分担に関する不満 48.7%
4位 年収など経済力についての不満 35.8%
5位 コミュニケーションの少なさに関する不満 30.7%

●夫が言えぬ妻への不満
1位 相手の性格に関する不満 64.7%
2位 コミュニケーションの少なさに関する不満 52.9%
3位 夫婦生活についての不満 52.9%
4位 家事分担への偏りについての不満 29.4%
4位 育児分担に関する不満 29.4%

妻は家事分担への不満を感じながらも夫に言えない人が多く、やはり、共働きするも夫は家事を手伝わず、結果妻だけが忙しくなっている家庭も多そう。夫婦ともに、相手の性格に関する不満も上位になったが、結婚してから相手の本性が見えてくることも多々。「子どもが生まれてから奥さんの性格が変わった」という夫は多いけど、夫の1位になったのもそうした変化に不満を感じているのかも…。

●妻から夫、夫から妻をで採点してもらうと…

不満を感じている人の割合や項目についてはわかったけれど、結局パートナーにどのくらいの満足度なのだろう。これを知るべく、今度は妻が夫と、夫が妻をそれぞれ採点してもらった。

その結果、妻が採点した夫の平均点は64.8点(不満がある妻の平均点は59.7点)、夫が採点した妻の平均点は72.9点(不満がある夫の平均点は67.4点)となり、点数から見ても妻側の方が不満が大きそうだ。

父親の育児支援をするNPO法人ファザーリング・ジャパン理事であり、東レ経営研究所でダイバーシティ&ワークライフバランス推進部のシニアコンサルタントを務める塚越 学さんは、共働き夫婦における夫婦のあり方について「特に出産後の妻の愛情は子どもに向けて急上昇、夫への愛情は一気に低下します。その後夫への愛情が再び増加するかどうかは、“乳幼児期”に夫が育児・家事をしていたかがポイント。子どもは必ず巣立ちます。そのとき、妻の愛情が夫に戻るか低迷したままになるのか、今日からの育児に向かう夫婦のパートナーシップにかかってくるでしょう」と、話す。

子ができて妻は母になり、共働きになれば、再び社会人にもなる。夫はどうだろうか。末永く幸せな家庭を歩んでいくためにも、まずは夫が妻に歩み寄り、家事や子育てのバランスをもう一度見直す必要がありそうだ。
(文・鈴木大介/考務店)

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