手づかみ食べにイライラ…本当に必要なの?しない子はどうすればいい?

手づかみ食べにイライラ…本当に必要なの?しない子はどうすればいい?

生後9~11カ月ごろの離乳食に関して、お口の発達や赤ちゃんの発育の観点からみる適切な進め方を、日本歯科大学の田村先生に解説していただきました。

食べることは模倣で学ぶ

食べるという動作は、模倣で学んでいきます。つまり赤ちゃんはママたちが食べる姿を見て、食べるということを学ぶのです。昨今では核家族が増えた影響で、赤ちゃんにひとりで食べさせている間に親が出かける準備をするということも見聞きしますが、そうすると赤ちゃんはどうやって食べるかが分からなくなってしまいます。できるだけ赤ちゃんと一緒に食卓を囲むようにしましょう。

もちろん、赤ちゃんの離乳食の時間と大人の食事の時間がずれてしまうこともあると思いますが、そのような時期は大人の食事の時間に、大人が食べている様子を赤ちゃんに見せてあげましょう。離乳食が3回食になったら、最低でも1日1回は赤ちゃんが大人の誰かと一緒に食べれられるようにするとよいですね。

まとめ

生後9カ月~11カ月というと、手づかみ食べをしたり、奥の歯茎で噛んだりとママも赤ちゃんの成長を感じる時期かもしれません。もしも、赤ちゃんが食べ物を口から出してしまう、食べるのにすごく時間がかかっている、あるいは歯茎ですりつぶさずに飲み込んでいるなど、離乳食の進みが遅いなと感じる場合、赤ちゃんの発達に食事形態があっていないということが考えられます。月齢にあわせようとするのではなく、赤ちゃんの発達に合わせてあげましょう。ひとつ前の形態に戻ってみるのももちろんOKです。無理に進めると、たとえば噛めないのにかたいものがお口に入ったときに丸のみしてしまうなどのおかしな動きを覚えてしまうこともあります。焦らずに赤ちゃんの発達に合わせて進めていくのが離乳食のポイントです。

監修者:医師 教授 田村 文誉

昭和大学歯学部入局後、歯学博士を取得。その後、米国アラバマ大学歯学部へ留学。帰国後は日本歯科大学に入職し、講師やマタニティ歯科外来、口腔リハビリテーション科科長などを経て、現在、日本歯科大学教授。

■主な経歴

1989年3月 昭和大学歯学部卒業

1989年4月 昭和大学歯学部 第三補綴学教室入局 

1991年4月 昭和大学歯学部 口腔衛生学教室入局

1997年3月 歯学博士取得

2001年〜2002年 米国アラバマ大学歯学部 補綴学・生体材料学教室留学

2004年4月 日本歯科大学 講師

2007年4月 日本歯科大学准教授

2010年4月 日本歯科大学 マタニティ歯科外来 併任(2012年まで)

2012年4月 日本歯科大学 口腔リハビリテーション科科長

2013年4月 日本歯科大学教授

■所属学会(役職・認定医)など

日本障害者歯科学会理事

日本障害者歯科学会指導医・認定医

日本老年歯科医学会指導医・認定医・専門医

日本老年歯科医学会摂食機能療法専門歯科医師

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士

国際筋機能療法学会(IAOM)運営委員

■HP

日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック

■主な著書

『重症児のトータルケア改訂第2版』『小児歯科学第5版』『上手に食べるために1(共著),2(単著),3(共著)』、『乳幼児の摂食指導(共著)』、『介護予防のための口腔機能向上マニュアル(共著)』、『高齢者の口腔機能評価NAVI(共著)』『Groher & Craryの嚥下障害の臨床マネジメント(共訳)』『マタニティ歯科外来(監修)』『口から診える症候群・病気(共著)』『小児の摂食嚥下リハビリテーション第2版(共著)』ほか

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