春植え、ベランダプランターで作れる楽々野菜5選

第92回 日常消費財の徹底比較 いいモノ買い隊
陽気もあたたかくなり、草花が芽吹くこの時期。実益を兼ねた園芸ということで、野菜の栽培を考えている人もいるのではないでしょうか? 

そこで、家庭園芸に詳しい「サカタのタネ」広報宣伝部の藤田杏奈さんに、春植え・ベランダ・プランターで十分栽培可能な初心者向けという条件で選んでいただいた5種類の野菜についてまとめてみました。

※育てやすさや栽培時期については、代表的な品種を温暖地で育てた場合を想定した目安。また初心者でも失敗が少ない苗から栽培をすることを前提に選んでいただいています。

初心者がベランダ・プランター栽培するならコレ!「ミニトマト」

ミニトマトの1品種「とってもアイコ(R)」。スーパーでもおなじみ「アイコ」より少し小さめの実で、多く実り、より甘みが強い
ミニトマトの1品種「とってもアイコ(R)」。スーパーでもおなじみ「アイコ」より少し小さめの実で、多く実り、より甘みが強い

実を食べる夏野菜はたくさんありますが、ミニトマトは初心者のプランター栽培でも比較的育てやすい野菜です。水や肥料などを適切に管理すれば、思った以上にたくさん収穫することが出来るでしょう。

また農家でもトマトの糖度を上げるために雨よけをすることがあるほどで、味のよいトマトを作るには果実の着色が始まったころから乾燥気味にするのがコツ。そういった面では、雨を避けやすいベランダ栽培がむしろ有利に働く野菜とも言えます。

<栽培時期の目安>
植え付け 4〜6月。収穫6〜10月

自分で育てれば“青”も“赤”も楽しめる「とうがらし」

とうがらしの1品種「スナックとうがらし」。青いうちは比較的辛味が少なく、生でもおいしく食べられる※
とうがらしの1品種「スナックとうがらし」。青いうちは比較的辛味が少なく、生でもおいしく食べられる※

夏の暑さに強く、育てやすくてたくさん収穫できるとうがらしは、小さいうち(果長4cm前後)に収穫すると、辛みがマイルドに。炒め物に生のまま加えても美味しくいただけます。

また、赤くなったものはオリーブオイルに漬けて辛味オイルにするとパスタなどに使えて便利ですし、もちろん乾燥させれば保存も効きます。
なお、小さいうちは比較的辛さが少ないといっても品種によりその度合いは様々。また栽培環境によっては「辛くないはず」の品種でも辛くなることがあることは覚えておきましょう。

<栽培時期の目安>
植え付け 4〜5月。収穫6〜10月

食べられるグリーンカーテンにもなる「きゅうり」

きゅうりの1品種「夏バテ知らず」。うどんこ病にかかりにくく、長く収穫ができる
きゅうりの1品種「夏バテ知らず」。うどんこ病にかかりにくく、長く収穫ができる

蒸し暑い夏に涼を呼んでくれる野菜、キュウリ。つる性の植物なので食べて美味しいだけでなく夏場にうれしいグリーンカーテンとしても有用です。

なお、比較的簡単といってもうどんこ病などの病害が問題となりやすい面もあるため、日当たりや通気性を確保することが大切。特に初心者であれば、たくさんある品種のうちからあらかじめ病気に強い品種を選んでおくことも大事です。
<栽培時期の目安>
植え付け 4〜6月。収穫6〜10月

いろいろな料理に使える夏の定番野菜「ナス」

ナスの1品種「くろぷり(R)」。実つきがよく収穫時期が長い
ナスの1品種「くろぷり(R)」。実つきがよく収穫時期が長い

食物繊維を多く含む、夏野菜の定番ナス。夏の暑さや雨にも比較的強く作りやすいため、家庭菜園の定番野菜でもあります。

煮物、焼きナス、天ぷら、炒め物、漬物と幅広い料理に使え、特に油との相性は抜群。ベランダにあれば何かと重宝するでしょう。上手に育てれば秋まで続けて収穫出来るため、長い間食卓をにぎわせてくれるでしょう。
水不足を特に嫌う野菜なので、雨が当たりにくいベランダ栽培では乾燥させてしまわないよう注意が必要です。

<栽培時期の目安>
植え付け 4月〜6月。収穫6月〜10月

花も楽しめる栄養豊富な緑黄色野菜「オクラ」

オクラの1品種「満点(R)」。草丈が低いのが特徴
オクラの1品種「満点(R)」。草丈が低いのが特徴

独特の粘りが美味しいオクラ。食物繊維のほか、ビタミンB1、B2、C、カロテン、カルシウム、リン、鉄、カリウムなど多くの栄養が含まれています。

また、いかにも夏らしい姿のその花も美しく、暑さに強く、夏の家庭菜園にピッタリの品目です。せっかく自分で育てるなら、さやが大きく育ちすぎないうちに収穫すると(開花後3~4日が収穫適期)柔らかさを楽しむことができますし、株を弱らせることなく長い間収穫ができます。株が大型になる品種もありますが、ベランダなど限られたスペースで栽培するのであれば草丈の低い品種が便利。

<ポイント>
植えどき 4月~5月。収穫6月~10月

ちなみに、サカタのタネでは「おいしい」「たくさん収穫できる」、「作りやすい」をコンセプトとした「おうち野菜(R)」というシリーズを展開しています。

これは初心者でも育てやすい品種をあらかじめラインアップした上で、それらの品種を栽培するための質問、相談に園芸のプロが直接電話やLINEで答えてくれる「コンシェルジュサービス」が付いているというユニークな試み。ベランダ栽培をやってみたいけれど自信がないという人は、こうしたサービスを利用して始めてみるのがいいかもしれませんね。

(文・宇都宮雅之)

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

<取材協力>

藤田杏奈
サカタのタネ
サカタのタネ 広報宣伝部。広報業務に従事しつつ、週末には趣味で畑に行って作業や見学行うを日々。自宅でもベランダ菜園を楽しむなど、充実した植物ライフを送る
サカタのタネ 広報宣伝部。広報業務に従事しつつ、週末には趣味で畑に行って作業や見学行うを日々。自宅でもベランダ菜園を楽しむなど、充実した植物ライフを送る