実際、小学生のママたちからは、次のような声が挙がった。
「うちはお小遣いをあげてないけど、たくさんもらっている子がお菓子を買ってくれたりするので、逆に困る」(30代ママ)
「塾の前にごはんを買っていく分も含めて毎日500円あげていたら、全部お菓子に消えていた…」(40代ママ)
「『奢ったり奢られたりするのは絶対にダメ』と厳しく言っているけど、子ども同士でゲームセンターに行き、お金を持っている子だけがゲームをして、ほかの子は見ていたなんてことも」(30代ママ)
「共働きの家庭では、お金だけ与えて放任のところもある。小学生なのに万札を持っているような子もいる」(40代ママ)
「お小遣い」は、家庭ごとにポリシーが異なるけど、トラブルを防ぐにはどうしたら? ファイナンシャル・プランナーの柳澤美由紀さんに聞いた。
「大切なのは、自分で管理させ、小さなうちに小さな失敗を繰り返させること。そして、失敗したときに親が助けないことです」(柳澤さん 以下同)
●子のお金との付き合い方は、上手な断り方も社会勉強
例えば、自分で買い物をさせ、レジで足りなくて泣いたとしても、そこでお金を出すのではなく、「いらないと言えば良いんだよ」などと教えるのも大切な金銭教育だという。
「また、子どもにお小遣いをあげる場合、よその子に奢ってしまうのは、過剰に渡しすぎている証拠です。もしほかのお母さんから『うちの子に奢ってくれたみたいだけど…』と言われたら、額を見直しましょう」
一方、友だちが奢ってくれたり、カードゲームのカードなどをくれたりすることもある。
「相手も喜んでほしくてくれたのでしょうが、そのときに『気持ちはうれしい。ありがとう』と言ったうえで、『でも、お母さんがダメだと言うから』と断ることを教えましょう」
友だちに奢ったり、モノをあげたりすることを、相手の子の親は知らないケースもある。念のため、一報入れたほうが無難だとか。
「子ども同士で話をさせ、解決させてから、親も電話で『ありがとう。でも、クセになると調子にのってしまうから』などと伝えましょう。ただし、やんわり伝えることが大切。『うちの教育方針で~』などと言ったら、トラブルになりかねません。また、相手の親は『塾の前のごはん代だったのに…』ということもあります」
大人と同じで、子ども同士も、金銭感覚の違いはあるもの。「お付き合いの部分は、お年玉でやらせる」「断り方や遊び方の工夫をさせる」ことも大切な社会経験なのだ。
(田幸和歌子+ノオト)