●悪い大人たちはマッチングサイトとして認識している!
「ツイキャス」は、女子中高生の間で大ブレイク中のアプリ。携帯から動画を無料配信でき、生放送も可能。アプリで簡単にテレビやラジオのパーソナリティ気分に浸れ、視聴者のコメントにリアルタイムで対応できるため、出会いの場となることも可能だ。
もう一方の「斉藤さん」は、iPhone の名称であり、Android版は、「斉藤さん 超人気!みんなでおしゃべりしよ!?」というアプリ名称。「斉藤さんと話す」というボタンをタップすると、全国の斉藤さんを検索して通話が可能になる仕組みだ。言い方を変えると、「全国の斉藤さんと話せるテレクラ アプリ」ということになる。こちらも、「ツイキャス」同様、生放送などの動画配信が可能になり、マッチングサイト的な使い方としても一部では人気を集めているようだ。
SNSで見知らぬ異性と気軽に連絡を取り、自分の動画を躊躇なくUPしてしまう…そんな近年の女子中高生の行動に、夜回り先生こと水谷修氏が警告を鳴らす。
「私は本来、夜22時~朝6時までは、子どもから携帯を取り上げて親の管理下に置くべきだと考えています。高校生までは、自分の部屋に持って行かせないようにしてほしいし、夜は絶対に使わせてはいけない。夜の子どもたちは無防備で暗闇を怖れ、感情的にも不安定になります。そんな時間に仮想現実の世界に行くから、染められ過ぎて現実社会へと戻れなくなってしまう。夜にしなくていいコミュニケーションをとるから、しなくていいケンカしてしまったり、お互いが傷つけあったり…ろくなことになりません。。 今後、SNSが発達すればするほど、ひどい世の中になっていくでしょう。だからこそ、子どもたちを守るため、世の中を守るためにも、子どもたちの携帯の履歴を親がネットで見られるようなシステムを構築してほしいです。履歴を確認して児童ポルノに入ったことがわかれば、そこで指導ができる。これからは、水際対策が必要です。本来は親が止めるべきなのでしょうが、それができないからしかたがない。事件を未然に防ぐ企業努力が必要だと考えます」(水谷氏 以下同)
アプリを使った性犯罪に走らせないためにも、「家庭での性教育が必要」と語る水谷氏。
「今現在、未成年の妊娠も減らなければ、性感染症も横ばい。コンドームを使えば妊娠予防や性感染症予防に役立つという教育は、返って未成年を刺激するからダメだというジェンダー論が湧き上り、保健の先生から“学校できちんとした性教育の授業ができない”という声を聞きます。学校ができない以上は家庭でやるしかない。性とは尊いもので、性行為は女性にとってとても重い行為なんだと。相手を大切に思うこと、性行為には責任が伴うこと、遊びではないということを、子どもが中学生に上がったら、きちんと親が伝えるべきでしょう。親の愛を感じている子は、自分の心も身体を大切にすることができるはずです」
性教育だけに留まらず、気軽にUPしているキス動画に、今後どんな顛末が待ち受けているのか…。携帯を与えている側として、しっかりとしたSNSリテラシーを伝えてあげることも、親の務めなのだ!
(取材・文/蓮池由美子)