●親の自信のない対応が、さらに子どもの難しい姿を大きくする!
「“子どもと何を話したらいいかわからない”、“子どもの泣きや要求に振り回されてしまう”、“子どもが言うことを聞かずに走り回るので、買い物に連れて行けない”など、多くの親御さんが、わが子の思い通りにならない姿に困惑しています。言うことを聞かないので、やむなくお菓子をあげて釣ったり、”お化けが来るよ”などと脅しをかけ、何とか言うことを聞かせようとするお母さんも多いですね。逆に、何でも言うことを聞いて、いいなりになってしまうケースもあります。心のなかでは、“本当は与えたくない”と思いつつも、携帯ゲーム機やスマホを与え、なんとか親の望む“静かな状態”を作り出そうとしてしまうことも。でも、結果的に、そういった大人の一貫性のない優柔不断な対応が、さらに子どもの難しい姿を大きくしてしまうのです」(須賀氏 以下同)
須賀氏に、「わが子の“王様子ども度”」を計るチェックポイントをあげてもらった。
●物を与えることで、子どもの姿をコントロールしようとしてしまう。
●子どもの要求を、本心では「好ましくない」と感じていても、その要求に応じてしまう。
●子どもが泣いたりごねたりしていると、「自分が責められている」ように感じる。
●子どもの行動の一つひとつが気になって目が離せない。
●子どもの危険な行為を止められない。
●子どもに毅然とした態度をとることが苦手。
これらのチェックポイントが当てはまる親は、今後の意識改革が必要だという。
「子どもを大切にすることと尊重すること、言いなりになることと許容の区別がつけられないと、終始子どもへの関わりが”おっかなびっくり”になって、子はどんどんわがままになってしまいます。そういうお母さんは、“怒ったらよくないのではないか?”、“希望を聞ないとかわいそうなのではないか?”と考えがち。その根っこには、子どもと関わる力やコミュニケーション能力の不足があるかもしれません。自分に自信が持てないから、育児にも自信がない。子どもの行動への”NO”は、必ずしも子どもの否定にはなりません。あいまいにすることはかえって子どもを混乱させ、正しい行動がどれなのかをわからなくしてしまいます。時に、親の毅然とした態度、”きっぱり”が重要なこともあるのです。普段から、親が気持ちよく受け入れられる範囲で子の希望を叶え、たくさん肯定していれば、“NO”を言うべきところで言ったとしても、子どもに悪い影響を与えることはありません。つまり、日頃から、親子の絆をしっかり構築している親は、ダメなときは毅然とした態度で臨めるわけです。受容が少なく、“NO”ばかり言っても、それはそれでいい親子関係は築けません」
親が大きな愛で子どもを包み込み、できる範囲で子どもの要求を受容する。そして“ここぞ!”というときには、きっぱり“NO”を! このメリハリこそが重要なのだ。
(取材・文/蓮池由美子)