●「イニシアチブは大人」を頭に置き、習慣化することでラクな育児に…
「かつては“子どもは大人に従うべき”という先入観で、親が子を押さえつける風潮にありましたが、現在は、脅しや釣り、ごまかしといった子のコントロールに変化しています。まず、“子どもには、どうせ言ってもわからない”という先入観を捨ててください。子どももひとりの人格者であることを忘れず、子どもに”どうしてほしいか”、”どうすればいいのか”をしっかりと目を見て伝えてください。そして、“〇〇するな!”という命令ではなく、“ママが困るんだよ”と、主体を大人において伝えることが大切です」(須賀氏 以下同)
「イニシアチブは大人」を頭に置き、習慣化することも、今後の子育てを楽にするという。
「例えば、“おむつを取り替えてもいい?”、“もうたくさん遊んだから、そろそろ家に帰ってもいい?”など、今のお母さん方は、こうして子どもに聞くことを、子の尊重にあたると無意識に考える傾向があります。でも、おむつを替えるのは、子どもがどんなに嫌がってもしなければならないこと。子どもにお伺いを立てる必要はまったくないのです。“おむつがパンパンだから替えるよ~”でいい。保育園に行かせる、下に弟や妹がいて、上の子になかなか手がかけられないなど、例え子が泣きわめこうが、親にとって必要不可欠なことは堂々と主張するべき! 親が嫌なことなら、最初から子どもに選択肢を渡すべきではないのです。これらを、”負い目”だとか”かわいそう”という見方をしてしまうと、子どもへの関わり方にブレがでて、子どもの姿や子育てを自ら難しくしてしまうことになりかねません。その結果、親は従わない子に常にイライラし、脅しやごまかしを使う不誠実な子育てへと変化を遂げてしまうわけです」
目指すのは、”正解な子育て”ではなく、”自信を持った子育て”。子育ての出発点を、できる範囲で“子を受容”することに置き、子の成長に従い、ママの心のなかの天秤で、“受容”と“NO”のバランスを取りながら楽しい育児をする。ママのバランス感覚こそが、今後の育児を左右するのだ。
(取材・文/蓮池由美子)