●病院やクリニックによってできる検査が異なる
「検査の種類によってはかかりつけのクリニックで受けられない検査もあります」と話すのは、出生前診断に詳しい、東京マザーズクリニックの林聡院長。
「胎児の首の後ろ側のむくみ『NT』の厚さから異常や病気を見つけ出す検査や、妊婦さんの血液からダウン症などの確率を算出する『クアトロテスト』は、実施されているクリニックは多いです。一方、『新出生前検査』となると、実施している病院はさらに少なくなります。しかしこれらはあくまでも疑いがあるかどうか知る検査であって、陽性と断定するための『羊水検査』や『絨毛(じゅうもう)検査』といったものなると、専門性の高いクリニックで行われるため、場合によってはかかりつけではない産婦人科を受診する必要があります」
医師によっては、出生前診断を積極的に勧める人もいれば、インフォメーションをしてくれない人もいるとか。そのため、胎児異常のリスクが高まる高齢の妊婦さんはとくに、自らネットなどで調べて能動的に受診に訪れるそう。
●検査する場所を選ぶときに気をつけたいこととは?
検査を受けるにあたっては信頼できる医師にお願いしたいもの。出生前診断を受診するクリニックを選ぶにあたっては、何を参考にすればいいのでしょうか。
「クリニックのホームページなどで、医師の経歴についてあらかじめ調べておくといいかもしれません。たとえば、胎児の病気を専門にしているか、ライフワークとして出生前診断をメインにしてやっていたか、超音波検査や遺伝のカウンセリングの資格を持っているかどうか、というのはひとつの参考になると思います」
検査方法は増えているものの、トータルで実施しているクリニックはまだ少数。安心して検査を任せられるクリニックに出会うためにも、事前のリサーチはしっかり行いたいところです。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)