●組体操を支える姿が、キラキラと輝いて見えて…
「最初は、娘の担任というだけで特に意識はしていませんでしたし、元々タイプではなかったんですよ(笑)。でも、私自身惚れっぽいところがあって、旦那以外に、常に誰かしらターゲットを作るようなところはありました。結婚も早かったし、あまり遊ばなかったので、ひょっとすると、その反動が今になって出ているのかもしれませんね」(Yさん 以下同)
小学6年生の長女と小学1年生の長男を持つYさんは、女優の木村文乃似の清楚な美女。化粧っ気はないが、そのままで十分魅力的な天性の美女だ。夫はイケメン銀行マン。専業主婦として、何不自由ない恵まれた生活を送っている彼女だが、その日は突然やってきた。
「最初に意識したのは運動会ですね。R先生はまだ28歳でしたが、すでに結婚して赤ちゃんがいました。運動会の時の先生たちって、みんなジャージ姿だけど、そこがかえって新鮮で、走ったり、組体操を支えたりしている姿がキラキラ映るんですよ。爽やかで汚れていない感じとでも言うのかな?(笑) まるで学生に恋するような気持ちになったんです。R先生は学生時代ずっと野球部で、甲子園にも出場したことがあるとママたちの間でも話題でした。ものすごくイケメンなわけじゃないけど、ひとことで言って爽やか! R先生を意識するようになってからは、これまでイヤイヤ参加していた学校の行事も楽しみになりましたね」
保護者会や自然教室のサポートなどにも積極的に参加し、R先生との距離を縮めていったYさん。ついに秋の個人面談で2人きりになるチャンスが訪れる。
「もうこの時はすでに、“自分に好意があるのかな?”という感じはありましね。面談の時間も、あえてなのか一番最後でしたし…。娘に特に問題があったわけじゃないんですけど、育児で悩んでいることを理由に、先生に自分のアドレスを渡してみたんです。面談が終わって帰り道、すぐ先生からメールがきましたね(笑)」
そこからの展開は早かった。メールでやりとりする間に、2人の気持ちは一気に燃え上がり、1カ月後に初デートの日がやってくる。
「幸い、自分の両親が近くに住んでいるので、子どもたちを預けて出かけました。地元はあまりにも危険すぎるので、先生の自宅より何駅か手前の繁華街へ飲みにいきましたが、もうその日は、嬉しさからどんどんお酒が進んでしまって、すぐなるようになってしまいましたね(笑) 」
そこから、2人の恋は一気に加速!
「LINEは消すのが面倒なので、メールにしていましたが、1日に10~20回はやりとりしていました。でも思いのほか、小学校の先生って忙しくてなかなか会えないんですよ。赤ちゃんが生まれたばかりで奥さんからの束縛もきつく、2週間に1度くらいしか会えませんでしたが、R先生は“2人の部屋を借りようか”とも言ってくれました」
だが、そんな恋を待ち受けていたのは、悲しい結末だった。
「公立小学校の先生って、異動も激しいんですね。ママたちにも人気が高い先生でしたが、ある島の学校に異動が決まってしまったんです。先生の奥さんが、“島で伸び伸びと子育てしたい”という考えだったようで、断ることができなかったようです。私はもちろん、ママたちが知る前にその事実を本人から聞いていましたが、先生の気持ちがあまりにも重くなりすぎて、私的には、正直“潮時かな~”という感じでした。“旦那さんと別れて!”と言われたこともありましたが、正直、すべてを捨てられるほどの相手ではなかった 。それでも、別れ際は寂しくて、数週間は抜け殻みたいになっていましたが 、夫が嫌いなわけじゃないし、かわいい子どもたちもいる。一瞬でいいから、女でいたかっただけなのかもしれません」
離島にいるR先生からは、今でもたまに連絡が来るという。
「本当にメル友感覚というか、そんな感じです。あれから2年近く経ちますが、今思うと“不倫”という病に憑りつかれていたというか…先生には申し訳ないけど、あの時の自分のことを振り返ると“なんであんなに好きだったのかな?”っていう感じです。でも、またいい人が現れたら…という気持ちもありますね。実は最近、高校生を見るとキュンキュンしちゃって…。懲りない女なんです(笑)」
Yさんのこの先の人生に、波乱が起きないことを祈るばかりである。
(取材・文/吉富慶子)