●会社帰りを待ち伏せされて…思わずコロリ!
「主人の部下でしたし、どうこうなることはないと思っていましたが、実は最初に挨拶されていたときから、顔がタイプだったんですよ(笑)。ただ、彼はまだ32歳で、私はすでに40代。恋愛対象に見てくれただけでもご褒美だと思って、その先に進むべきではなかったのかもしれませんね」(Tさん 以下同)。
今回告白してくれたTさんは、40代とは言え、永作博美のように笑顔がチャーミングで、社宅でも美人妻と評判。夫は営業部長で、中学1年の長男と小学4年生の次男に囲まれ、社宅で幸せに暮らしている。夫と同じ事業所に勤めるMさんは、夫を慕う一番の部下。夫とMさんが飲みに行った後、Tさんが社宅でもてなすこともよくあったという。
「お酒に弱いけど、飲んでしまうらしくて、うちに来るときは、主人もMさんもベロベロ。“苦しい~”というので、服を脱がせてパジャマに着替えさせたこともありましたね。すぐそこが自分の家なのに、なんでうちでくつろぐのか…最初は不思議でたまりませんでしたけど、次第にそんな彼がかわいく思えて、意識するようになりました」
近所の薬局で薬剤師としてパートで働くTさんは、ある日を境に、駅でMさんにバッタリ会うようになる。その頻度が多くなり、「よく会うね~」と言ってみると、彼からはこんな答えが帰ってきた。
「“奥さん、こんなによく会うなんて、本当に偶然だと思ってたんだ。偶然なわけないですよ! 俺、毎回待ってたんですから”って言うんですよ。もうその一言でコロリ! って感じ(笑)。もうどうにでもなっちゃえ!って…」
実はこのTさん。かなりの恋愛体質で、同じ職場の男性とも不倫の末、別れたばかり。そんな虚無感から立ち直るのは、「新たな恋しかなった…」と笑顔で語る。
「職場の彼は、気が弱いところがあって、いつもバレやしないかビクビクしてたんですね。“そんなに気になるなら、もう終わりにしない?”と私から切りだしたんですけど、何だか寂しくて…。そんな彼と比べたら、Mさんはどこか潔いというか、しかも上司の妻にアタックするなんて、その心意気だけで感動しちゃいました。まぁその日は、そのまま飲みに行ってキスしかしませんでしたが…」
一度結ばれた後は、Tさんの方が歯止めがかからなくなり、一緒に逗子へ旅行に行ったこともあるという。
「今思えば、何となく主人にはバレていたんじゃないかな? と思います。あんなに仲が良かった2人なのに、急に飲みにいかなくなりましたし、私も急に、“実家に一晩泊まってくるね~”と出かけることが多くなりましたし…(笑)。私、人を好きになると盲目になってしまうというか、その人のことしか考えられなくなるようなところがあるんです。もちろんその間は、主人との夜の生活も無理でした」
そんな楽しい恋は半年ほど続いたが、次第に会える時間が減り、Tさんが誘っても、あれこれ理由をつけて断るMさんに、イライラが募ったという。
「たぶん重かったのかな~? 携帯でも頻繁に連絡を取っていたかったし、旅行にも行きたかったし、週に1度は会いたかったんですよね 。Mさんも私も、家庭を壊すことはしたくなかったけど、Mさんの奥さんも、行動の変化を悟って、彼の浮気に気づいていたかもしれない。でも相手が私であることまではわからなかったでしょうね。いつ会っても、彼女は私に笑顔で接していましたから。“2人で沖縄にでも住もうか?”って考えたこともあったけど、所詮は一時の夢だったんですよね。なんだか会えなくなったら、急激に冷めてきて、“いったい私は、今まで何をしてたんだろう?”と思ったんです」
「やっぱり私には夫しかいない」と改めて気づいたという。だがその数か月後、そんなTさんの体に異変が起きた。
「妊娠したんです。もちろん主人の子ですよ(笑)。今思うと、子どもたちも大きくなって、少しずつ手が離れて、その寂しさが不倫の恋に走らせていたのかもしれません。都合のいい、いいわけですかね?(笑) これからは、夫と息子たち、そして赤ちゃんのために…真面目に生きようと思います」
不倫の恋で気づかされた家族への想い…若干都合のよい話ではあるが、今のTさんはキラキラと輝いているように見える。子どもたちが本気で手を離れたとき…どうか恋の炎が再燃しませんように!
(取材・文/吉富慶子)