ノルウェー水産業のサステナビリティへの取り組み
サバやサーモンなど、私たちにとってなじみのあるノルウェーシーフード。
日々当たり前に食べている水産物ですが、昨今、海洋生態系が直面している危機と商業漁業の関連について、世界で議論が行われています。
海洋と資源を尊重し海を守っていくために、ノルウェーでは厳格な規制に加えて、生態系保全における天然資源・養殖資源の管理において確かな実績を残しています。
2021年、サーモン飼料の持続可能な製造水準引き上げを発表
ノルウェーサーモンの給餌システムは、生産性の向上と環境保護においても考慮されているそうで、以前からサーモン養殖で使用される餌は約7割が植物、約3割が魚由来の原料で構成され、餌に使われるすべての魚由来の原料は、人間が食用とする魚の非可食部位骨や内臓などを再利用しているのだとか。
2021年からは、世界のサステナブルな食料システムに更なる重要な一歩を踏み出すために、サーモンの餌に使う大豆は、森林破壊を行わずに生産されたもののみを使うことを発表しました。
このように自主的かつ業界全体の基準を設定したことは初めてのこと。他の世界的なタンパク質業界に影響を与えていくことが期待できます。
環境負担低減を目指し、サーモンの輸送方法を見直し
水産物輸出大国として1年に様々な鮮魚を輸出しているノルウェー。
その中でもサーモンはノルウェーシーフードの中で輸出量と輸出額が最も高い魚種です。ノルウェーサーモンは約100ヵ国以上に輸出されていますが、各市場の消費者に新鮮かつ一番美味しい状態でサーモンを届ける為に、さまざまな輸送方法で出荷されています 。
消費者からの需要と各国への輸出量が伸びる一方、グローバル化が進み移動に伴う排気ガスなどの発生が環境問題における重要な課題の一つに挙げられています。
現在ノルウェーでは、環境への影響を最大限に低減するためにカーボンニュートラルの実現を目指して、これまでの輸送方法を見直し、カーボンフットプリントの削減方法を考案・実践しています 。
※カーボンニュートラル…… 地球上の炭素カーボンの総量に変動をきたさない、CO2の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるようなエネルギー利用のあり方を意味します。
※カーボンフットプリント…… 商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものです。
AI技術を活用し養殖技術の向上へ
ノルウェーでサーモン養殖事業を手掛ける多くの企業は、スマート養殖技術を活用して環境への影響を減らし、持続可能な方法で効率的にサーモンを養殖しています。
養殖漁業は、自然災害や気候変動といった環境リスクを常に伴いますが、海洋環境の把握や分析も AI などの最先端テクノロジーを活用する事で、安定した出荷量を確保できるようになります。
またリモートオペレーションセンターにて魚の成長を観察できることによって、従業員の労働条件がより安全になり、運営コストも削減されます。
サーモンが世界のシーフードになるまで
人気料理家・ジョーさん。考案。ノルウェーシーフードレシピ
持続可能な方法で海洋資源を保全することに積極的に取り組んでいるノルウェーの水産業。
続いては、そんなノルウェーシーフードのサーモンとサバをおいしく味わえる、人気料理家・ジョーさん。考案のサステナブルレシピをご紹介します。
ノルウェー サーモンとキャベツの丸ごとレンジ蒸し
1品目は、調理時間、電子レンジでわずか7分! 簡単に作れる素材を活かしたヘルシーなひと品です。短い加熱は、ガスは使わず、エネルギー効率の良い電子レンジを使うことがサステナブルポイント!
材料(2人分)
・ノルウェーサーモン……150g 程度(刺身用)
・キャベツ……大きめの葉2~3枚
・塩昆布……大さじ2
・酒……大さじ2
・塩……少々
作り方
1. キャベツはざくぎりに、サーモンは食べやすい大きさに切る。
2. 耐熱容器にキャベツ、サーモンの順にのせ、塩昆布、酒、塩を振る。
3. ラップをして600Wで7分ほど加熱する。
ノルウェーサバとじゃがいものジャケットポテト
2品目は、時短なのに食べごたえのある栄養価の高いノルウェーサバ料理。
じゃがいもは蒸し焼きよりも丸ごとレンジで効率的に加熱することがサステナブルポイント。じゃがいもに含まれるビタミンCが、サバのカルシウムの吸収を助けてくれるので、自分のカラダにも優しいレシピです。
材料(2人分)
・ノルウェーサバ……100g
・じゃがいも……2個
・ピザ用チーズ……50g
作り方
1. じゃがいもをラップに包み、3分加熱したら、十字に切れ目を入れる。
2. 1に塩をふりピザ用チーズをかけ、食べやすい大きさに切ったサバをのせ、トースターでサバに火が通るまで加熱する。
ノルウェーサーモンのブロッコリーの芯ピュレがけ
最後は、外はカリッと、中はレア焼きノルウェーサーモンフィレレシピのご紹介。
普段捨ててしまいがちなブロッコリーの芯は、ピュレソースとして活用し、食材を無駄なく使う、まさにサステナブルレシピです。
材料(2人分)
・ノルウェーサーモン……150g(切り身・できれば骨と皮を取ったポーションカット)
・ブロッコリーの芯……1個分(70〜80g)
・エキストラバージン オリーブオイル……小さじ2
・粗びき黒こしょう1~2振り
【A】
・エキストラバージンオリーブオイル……小さじ2
・水……小さじ2
・塩……小さじ1/4
・レモン汁……小さじ1
作り方
1. ブロッコリーの芯は、1~2cm幅程度に切り、薄く皮をむく。
2. 1を耐熱容器に入れてラップをし、600Wのレンジで3分加熱する。
3. ミキサーに2とAを入れて撹拌する。
4. サーモンが皮付きの場合は皮を引いておく。
5. フライパンにエクストラバージンオイルを引いて中火で熱し、サーモンを入れて両面さっと加熱する。
6. 皿に4を並べ、3をかけ、粗挽き黒こしょうを振る。
レシピ考案:料理研究家・ジョーさん。
「バズる」企画を得意とする料理研究家。Twitterフォロワー数は28.5万、Istagramは7万。レシピ開発、執筆、調理、盛付、撮影を一人で行い、レシピ動画の撮影・編集も行うマルチな料理家。
<サステナブルな料理への考え>ジョーさん。のコメント
日本はおいしい魚が手に入りやすい、水産資源に恵まれた国です。私自身も魚が大好きなのですが、だからこそ自分の子供や孫も同じようにおいしい魚が食べられる方法を探していかなければならないと考えています。
ノルウェーサーモンは少ない餌で効率よく育てられるだけでなく、卓越した養殖技術により、環境負荷が少ない食べ物だと言うことができます。ノルウェーサバは長い歴史に裏打ちされた、効率のよい方法で漁獲、加工、輸出されており、持続可能性がとても高い食材と言えると思います 。
配信: おうちごはん