●子どもの成長への悪影響
「子どもがグズるとタブレットを与えて見せる親御さんをよく見ますが、これを続けていると、成長とともに問題行動を起こすリスクが高まります」(安川さん 以下同)
子どもは、母親とスキンシップや会話などコミュニケーションを通じて社会的に成長していく。ママがスマホに夢中な場合、子どもを放置しがちだ。幼児期に充分かまってもらえなかった子どもは、幼いころの満たされない思いを抑圧したまま成長することになる。
「かまってもらえなかった子どもは、例えば成長期において学校や家庭問題が起きたときに、それを引き金として子ども返りしてしまうパターンが少なくありません。小学生高学年になっても突然赤ちゃん言葉を話し始めたり、おねしょをしたり、異様に甘えたがりになったりします」
成年を迎えたあともこのような問題行動が収まらないケースもあるという。その場合、大人が子どものように暴れたりものを投げたりするため、家庭内暴力につながる危険性もある。
●家庭環境の不和
「スマホ依存になると、料理や掃除中もスマホが気になってしまい、どうしても家事がおろそかになりがち。集中力が散漫になるため、食事の味付けが粗雑になったり、夫婦間の会話が激減したりして、次第に夫婦仲が冷え切ってしまうリスクもあります」
スマホを見ながら会話をするので上の空になり、相手に不快感を与えることもある。さらに、スマホをいじりながらガスを扱って、ヤケドなどの大ケガにつながることもあるので、注意が必要だ。
●睡眠障害や老け顔にも注意
「加えて、スマホ画面のブルーライト作用で、寝る直前までスマホの画面を眺めていると寝付きが悪くなり、眠りが浅い体質になります。そのせいで、記憶力が低下することもあるようです」
また、常に下を向いてスマホを操作しているため、重力に負け、あごがたるみ、まぶたの筋力が衰えて一気に老け顔になってしまう「見た目への影響」も見逃せない。常に近い距離で画面を見るため、老眼も早まるという。
便利はなずのスマホが、恐ろしい事態を引き起こすなんて…。スマホ依存の自覚のある人は、心がけを改めたほうが良さそうだ。
(北東由宇+ノオト)