幼少期の英語学習、そもそも意味あるの?

第2回 子どもの英語力を高めるには?
英語力の向上を目指すための授業が、小学校をはじめ義務教育過程でも推進されています。なんとなく重要だとは思いますが、本当に子どもの将来に役立つのでしょうか? 時間とお金をかけて習得させる意味があるのか、お悩みのお母さんも多いかもしれません。そこで、幼少期から英語を学ぶメリットについて、上智大学言語教育研究センター長の吉田研作教授に聞きました。

●英語でコミュニケーション力を伸ばす

吉田教授によれば、幼少期の英語学習は単なる語学スキルの向上だけでなく、そもそものコミュニケーション能力を底上げしてくれる効果が期待できるといいます。

「英語を学ぶことで得られる楽しさというのは、コミュニケーションが一番です。コミュニケーションしながら、『こういうことを言いたいときにどうすればいいのだろう』と考え、その疑問を解決するために知ろうとする。そうやって身に着けた知識は、忘れないものです。語学は学んだことをリアルに役立たせることができるという面白さがありますし、お子さんのコミュニケーション力を伸ばしてあげることにもつながると思います」

未知の言葉だからこそ、感情を言語に変換しようと意識するようになる。それは日本語でのコミュニケーション能力向上にも大いに役立ちそうです。

幼少期の英語学習、そもそも意味あるの?

●ひとつの語学を身に着けることで選択肢が増える

また、英語をマスターすることで、語学そのものへの興味関心が増すと吉田教授。

「いま世界では英語が共通として使われていますが、これがずっと続くとは限りません。また、もしお子さんがグローバルに活躍したいと思ったとき、日本語と英語に加えて第3、4の言語を学ぶ必要が出てくるかもしれません。語学はひとつしっかり学ぶと、学び方というのが分かってきますので、ほかの言語を学ぶのにも役立ちます。まずは英語の運用能力を鍛えることが大切。ただ、それは中学生以降の話。まずは、幼少期はどれだけ語学に触れる機会を持てたかということが大事です」

グローバル化の加速で、英語プラスアルファの語学スキルを持った人材は今後ますます重宝されそう。子どもが将来、語学を活かした仕事につけるかどうかは分かりませんが、少なくとも様々な可能性を拓く力になることは間違いないでしょう。

(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

吉田 研作
上智大学 言語教育研究センター 言語教育研究センター長