●家庭での工夫により英語へのモチベーションを高める
吉田教授によれば、幼少期に無理にスクールに通わせると子どもが英語嫌いになってしまい、逆効果になってしまう可能性もあるそう。まずは、語学に対する子どもの興味の幅を広げてあげることが大切といいます。
「子どもは好奇心を刺激されると、どんどん知りたいと思うようになります。『英語を学ぶ=英会話教室に通わせる』ということに直結しがちですが、興味がないまま通ってしまっては意味がありません。とくに小さいお子さんは強制されることを嫌うので、もし楽しくないと思ったら、英語への興味も失ってしまいます。そうならないためにも、まずはお金を掛けなくても、楽しみながら英語に触れ合える環境を家庭で作ってあげることが大事です」(吉田教授、以下同)
今はネット社会ということもあり、無料で使えるコンテンツも多数あります。なかでも、吉田教授がおすすめするのが以下の3つの方法。
●英語の歌を歌う
「耳をなれさせるには、歌を聞き、歌ってみるのが一番。YouTubeなどにも日本語と英語で切り替えができる動画がたくさんあるので、両方交互に聞かせてみることで子どもながらに『この英語って日本語だとこういう意味かな?』と考えて、もっと知りたいと思うようになります」
●英語絵本の読み聞かせ
「まず、絵本はネイティブの声で録音されたCDが付いているものをおすすめします。よく、英語の発音に自信がないという親御さんがいらっしゃいますが、まずは読み聞かせる。それと同時に、ネイティブの発音で読まれたものを流します。そうすると、子どもは自然と流暢な発音の方を真似するようになるんです。読み聞かせは、親子の絆を深めるうえでも役立ちますので、そこに英語を取り入れると好影響です」
●観光地に出掛けてみる
「思い切って外国人の旅行者に話しかけてみてください。人見知りの子どもの場合は、まずお父さんお母さんが話しかけ、子どもに外国人の方とふれあいの機会を持たせるといいでしょう大抵の外国人の方は、日本人の子どもに英語で話しかけられたら絶対喜びます。簡単な挨拶程度でもいいので、ちょっとしたコミュニケーションの機会を作ることで、お子さんは英語を話すことの面白さについて身を持って理解します」
これらの取り組みを一時的に終わらせるのではなく、習慣的に続けていくことが大切、と吉田教授はいいます。語学は“どこかで学ぶもの”ではなく、身近にある面白いものと気づかせてあげることは大事なのかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)