住んでいる地域で相場が異なったり、兄弟姉妹のあいだで意見が違ったり、昨年は張り切ってうっかり奮発してしまったが、今年は家庭の事情などにより金額ダウンしたいという本音を持つ人もいるのでは? お年玉をあげるときに気をつけるべきこととは? 子どもマネー総合研究会の近藤鑑代さんに聞いた。
●お年玉の金額は明確な基準を設けると◎
「きょうだいにお年玉をあげる場合は、子どもたちにわかる明確な基準があったほうがよいと思います。例えば、わが家の場合は、小学生のあいだは5000円未満、中学生は1万円未満、高校・大学生は1万が基本ルールです」(近藤さん 以下同)
そのためには、「はい、どうぞ」とただ渡すのではなく、「◯◯くんは小学生だから3000円、お兄ちゃんは中学生になったから5000円ね」というように、さらっと年齢に応じて金額が違うことを言い添えると、子どもたちも納得しやすい。
「学年で基準をもうけると、親戚の子たちにあげるお年玉も『与えすぎ?』『少ないかも?』と迷わなくて済むようになります。お年玉を渡すときは毎年そう言い添えることで、『この家はこう基準なのだな』と子どもにもわかってもらえてよいと思いますよ」
●お年玉=貰うのが当たり前、と思わせない
では住んでいる地域で相場が異なっている場合は、どうすればいいだろう?
「家庭環境や住む地域によって、相場は変わってくるでしょう。ある程度まではすり合わせることも大切ですが、無理をしすぎて年末年始の家計の収支が悪化するのも避けたいところ。その際は無理せず、『うちのルールはこうだから』と明言してしまいましょう」
今年は金額をダウンさせたいときはどう表明すべき?
「その場合も『今年からかこういう基準にするからね』とひと言伝えれば、翌年以降も無理をしないで済みます。むしろよかれと思って大金を与えすぎると、子どもの金銭感覚がくるってしまうこともあるので注意が必要です」
また、忘れてはならないのが、お年玉をもらったときの礼儀について。お年玉をくれた相手の目を見て「ありがとうございます」ときちんとお礼を言う、といったマナーもわが子にしっかり教えておこう。
「わが家でも『貰うのが当たり前』と思ってほしくないので、『お年玉は金額ではなく、いただけることに感謝しなさい』と伝えています」
お年玉は「大人(自分)-子ども」の関係性だけでなく、「大人(自分)-その子の親」との関係性にも影響を及ぼすもの。子どもに礼儀とマナーを覚えさせる良い機会にもなるかもしれませんね。
(阿部花恵+ノオト)