年末年始ともなると、そんな悲喜こもごものエピソードや悩みが耳に入ってくる。かつては「お年玉は貯金に回す」が世の習いとされていたが、今は子どもの金銭感覚を養える機会と捉えることも。
お年玉の使い方に関して、スマートな方法はあるのだろうか? 子どもマネー総合研究会の近藤鑑代さんに聞いた。
●お年玉の賢い貯め方・使い方は?
「もらったお年玉をすべて親が管理してしまうことは、子どもからお金を使う経験の場を奪ってしまうこと。小学生のうちからお金の使い方について学んでおくことは、その子の将来に必ず役立ちます。お年玉は金銭教育の絶好の機会と考えましょう」(近藤さん 以下同)
そうはいっても、お金を使い慣れていない子どものこと。お年玉の全額をそのまま預けて「好きに使っていいよ」と言ったら、その言葉通りにオモチャを好き放題買ってしまう危険性だってある。
「最初から無計画に使わせるのはオススメしません。お金を稼ぐのは簡単ではないのだということを伝えて、有効に使う・貯めることを親子で相談して使い途を考えるといいですね。3分の2は貯金する、3分の1は自由に子どもが使い道を決める、といったルールを定めるといいでしょう」
親の目から見れば「なんでそれ?」と言いたくなるようなオモチャやマンガでも、子どもにとっては「真剣にほしいもの」。「3000円までは自由に使わせる」など基準を決めたら、買うものに文句をつけず、子どもの判断を尊重してあげよう。
●頭ごなしに「貯金しなさい」はNG
思い切って好きなモノを買う子もいれば、「貯金に回す」という判断を下す堅実な子もいるかもしれない。
「その場合は一緒に銀行に行って、子ども自身に口座に入金させてみては? 自分の手で入金して、自分の目で通帳の数字を確認することで、お金の重みが実感を伴ってくるはずです」
また、親として一番避けるべきは『貯金しなさい』『お母さんが預かってあげる』と一方的に決めて子どもから考える機会を奪ってしまうことだそう。
「ただ、頭ごなしに命令するのではなく、ある程度までは子どもの希望や言い分を聞いた上で、適切なアドバイスをしていきましょう。親側も『このお金はあなたを信用して使わせる』という姿勢を見せることが大切」
子どものうちからお金の大切さを理解しておくことは、将来必ずその子の人生に立つはず。
「お金は生かすも殺すもそれを使う人次第です。子どもたちの将来の選択肢が広がるように、スマートなお年玉の使い方を一緒に考えることがマネー教育の第一歩です」
お年玉の機会を上手に利用して、わが子の金銭感覚もしっかり養っていこう。
(阿部花恵+ノオト)