でも、なかなか自分の家計状況を客観的に判断するのは難しい…。そこで、今回は夫が会社員、妻がパート、子どもが2人(9歳、6歳)のKさん宅(東京都在住)を例に、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」のファイナンシャルプランナー、大竹のり子さんに家計診断をお願いした。
●Kさん(東京都)の 家計簿
夫:会社員 40歳
妻:パート 39歳
長男:小学校3年生
次男:幼稚園 年長
<収入>
夫 約30万円
妻 手取り額(月額)約10万円
育児手当 月×2人 2万円
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月々の収入の合計 約42万円
<その他の収入>
ボーナス 約70万円
<支出>
食費 ………………………………… 62000円
外食費 ……………………………… 13000円
給食費 ……………………………… 4000円
住居費 ……………………………… 80000円
水道光熱費:17000円
通信費(スマホ、携帯以外) …… 2000円
スマホ代 ………………………………8000円
日用雑貨 …………………………… 12000円
保育費用(幼稚園・延長保育も利用) 46000円
医療費 ……………………………… 18000円
教育・教養費(家族の習いごとなど) 42000円
美容費(美容院、ネイルなど)……… 8000円
被服費(家族の洋服代) ………… 8000円
娯楽費(外食以外のお出かけ) … 19000円
交際費(夫・妻の小遣い以外で) … 12000円
夫 小遣い ………………………… 20000円
妻 小遣い ………………………… … なし
子 小遣い ……………………………… なし
保険料 ………………………………11000円
その他(実家への仕送り)………… 33000円
車の維持費 …………………………16000円
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月々の支出の合計 431000円
月々の残額 マイナス11000円
<備考>
学資保険(年間・ボーナス払い) 240000円
貯金 ボーナス時 約30万円
●食費の高さはどう調整すべき?
ここでは赤字になっているが、年単位ではさほど収入が足りないという感じはないそうだ。また、次男が来年3月に幼稚園を卒園するので、家計は楽になると考えているという。今、Kさんが気になっているのは食費の高さ。食費を節約するにはどうすればいいのだろか?
「全体的によく管理されていると思います。そのなかで食費が高いと感じるのは、Kさんが食費に対して何らかの問題意識を抱えていて、節約意識が働いているからでしょう。思い当たる理由を書き出すことで、自然と節約すべきことが見えてくるはずです。ただ、本格的に食費がかかりはじめるのは、子どもが成長期を迎えてから。今後増えていく食費を月々の家計のなかで管理できるようにしていくことが大切です」(大竹さん 以下同)
大竹さんによれば、Kさん宅の2016年家計見直しのポイントは、次男にかかっている保育費用の使い道だという。
「一般的に大学進学の費用として用意しておきたい金額は、少なくて300万円。できれば500万円くらいといわれています。Kさん宅の場合は、ボーナス時の貯蓄と学資保険で大学進学費用のベースとなる部分は確保できますが、高校までにかかる費用(授業料、部活などの費用、塾・予備校、受験料など)を考えると、今のままでは不安があります。来春以降は、保育費用の4万6,000円の内、3万円だけでも定額貯蓄にして、月々蓄えていくといいでしょう」
●妻の小遣い「なし」が、“隠れ浪費”につながることも…
「自分のお小遣いはなし」というKさんだが、妻のお小遣いも見直すといいそう。お小遣いがないことで、逆に浪費につながることもあるという。
「一般的な傾向として、妻のお小遣いがない家庭では、妻関連の出費が食費や交際費に隠れている場合があります。意外かもしれませんが、妻のお小遣いの額を決めることは、家計のムダをなくすことにもつながるのです」
最後に、夫は会社員、妻はパートという家庭へのアドバイスを聞いた。
「食費と同様に教育費もお子さんの成長にともなってドンドン膨らんでいきます。時代の流れとして『103万円の壁』のメリットが少なくなっています。さまざまな出費を月々の家計内で回していくためにも、お子さんの手が離れてきたら『103万円の壁』に関わらず、働くことをオススメします」
2016年の年頭は将来に備えて目標をたててみるのもいい。隠れ出費を見つけていくことでも、家計管理は変わっていくかも。
(川野ヒロミ+ノオト)