娘とお父さん、息子とお母さんの関係性で、思春期に注意すべきことは? 思春期の子どもの「性の目覚め」との向き合い方について、精神科医で町沢メンタルクリニック院長の町沢静夫先生に聞いた。
「子どもが思春期の時に、家庭のなかで性的なものを過剰に避けたり、嫌な顔をしたり、危険なものとする雰囲気を作らないこと。お母さんの締めつけが厳しい家庭で育つと、将来的にセックスできない男の子になるケースが多いのです」(町沢先生 以下同)
見栄や世間体で結婚し、実質的に結婚生活にならない家庭はセックスレスが原因となっていることも多い。そしてその背景には、「厳しすぎる母親」の存在があることは少なくないそう。
「また、性的なことをあまりに避けすぎると、異性を“異物”と見なし、逆に好奇心が高まりすぎて異常行動に走る危険性もあります」
思春期がくると、女の子の場合は入浴に限らず、自然に父親の存在を避けるようになることが多い。ただ、母親と息子の関係性においては、母親側がべったりのケースもあるのでより注意が必要だそう。
●子のアダルトサイト閲覧は、子の成長を考えれば自然
ちなみに、男の子の性の目覚めというと、昔は自分の部屋でコソコソとHな雑誌を見るイメージがあった。しかし今は、「スマホなどでHな画像や動画を見る」ケースが多いよう。
なかには、「息子のスマホの履歴をこっそりチェックしたら、アダルトサイトが…」などと心配するお母さんもいる。
「Hなものを見ていたら、母親としてはショックを受ける気持ちもあると思います。でも、『やっとマトモになった』と思って良いんです。ママ友などに『うちの子、Hなもの見ていたんだよ』と自慢しても良いくらいです」
町沢先生いわく、「子どもに性の目覚めが訪れたら、親は引っ込むのがいちばん」だそう。
子どもの性の目覚めが遅いほうが、親としては安心だし、性の目覚めを目の当たりにするのは寂しい面もある。
だが、長い目で見ると絶対必要な時期だけに、親はある程度「見て見ぬフリ」することが必要なのかも。
(田幸和歌子+ノオト)