友だちの輪のなかにわが子が入っていかないと、親としては不安になることもあるもの。また、その原因はママにあると聞くこともあるけど、それってホント?
『子どもの心のコーチング』(PHP研究所)著者で、NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんに聞いた。
「『友だちと遊ばない』と悩むお母さんからのご相談は、確かにありますね。でも、その原因が親にあるとはあまり思えません」(菅原さん 以下同)
おそらく、昔から「友だちの輪に入らない子」は一定数いたはずだが、環境が変わったために、孤立してしまうケースが増えているのではないかと言う。
「昔は兄弟・姉妹がいて、玄関から一歩出れば遊ぶ環境があり、居場所がありました。でも、今は子どもたちがみんな習いごとなどをしていて、忙しい。また、防犯上の問題から、ひとりで遊びに行かせられないことも多いですよね」
●友だちと「遊べない」のではなく「遊ばない」だけかも?
思えば、昔から、きょうだいなどに連れられて公園に来て、みんなが群れで遊ぶ様子を眺めていたり、ひとりで漫画を読んだりしている子はいたもの。
「今も保育園や幼稚園、乳幼児が多数出演するテレビ番組などを見ていると、みんなが歌ったり踊ったりするなか、ボーッと眺めていたり、脇で別のことをしていたりする子はいます。同じですよね」
そういった子は良くも悪くも、「人とワイワイ遊びたい子」ではなく、「孤独を好む気質」なのだそう。
「友だちと『遊べない』のではなく、『遊ばない』だけです。本人が遊びたいと思っていないのなら、問題はありません。お母さんが問題にするから、問題になるだけです」
ただし、なかには、本当は友だちの輪に入りたいのに、乗り遅れてしまい、「入れて」と言えない子もいる。
「友だちと遊ばない子には、まず本人が遊びたいと思っているのかどうかを聞いてみましょう。『いい。今日は家で本を読みたいから』などと言うなら、それで良いのです。でも、本当は遊びたいのなら、どうしたら良いか、一緒に考えてあげましょう」
「友だちと遊ばない」ことが不安というママも、それが本人の希望なら、特に心配する必要はないそう。まずはわが子の気持ちとゆっくり向き合い、確かめてみては?
(田幸和歌子+ノオト)