友だちとの遊び方、どうすれば?

第3回 子どもが友だちと遊ばない!?
友だちといざ遊ぶことになっても、子どもが自由に遊べる公園ですら、今は「かけっこ禁止」「ボール遊び禁止」というところが多く、自由に遊べる場所があまりないのが実情…。

今の世の中、友だちとどう遊べば良いの? NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんは次のように話す。

「昔は特に約束しなくても、公園に行けば誰かがいました。でも今は、子どもたちが習いごとなどで忙しいこと、防犯上の問題もあり、ひとりでフラフラできなくなっています。子どもが友だちと遊べなくなっているのは、大人がそうした環境を作ってしまっている面もあります」(菅原さん 以下同)

残念ながら、そうした環境を変えるのは簡単なことではない。では、今のこうした状況下でどのように遊べば良いのだろうか。

「子どもがどう遊ぶかは、子ども自身が考えることで、大人が考えることではありませんよね」

昔はオモチャもゲームもなく、何もないところで、子どもたちが自分で考えて遊び、創造性を伸ばしてきた。今は大人がいろいろ用意したり、考えたりしてあげすぎて、発達を遅くしているところもあるのではないかと指摘する。

水遊びをする子ども

●親の介入をうるさがるとき、友だちとの遊びが始まる?

そういえば、今の子どもたちは、幼いうちは友だちの家に行っても、友だちのお母さんと一緒に遊びたがる子が多数いるように思う。

「ひとりっ子が増え、大人と遊ぶことに慣れていることもあるでしょう。大人に囲まれて暮らしていると、親のほうが、精神年齢が合うこともあるでしょう。また、大人が普段から介入しすぎているために、『遊んでもらわないと楽しくない』という子もいると思います」

ただし、「友だちと遊ばないこと」も「友だちの親と遊びたがること」も、特に心配はないそう。

「子どもが小学校高学年~中学生くらいになると、親が介入するのをうるさがり、離れたがる時期がくるものです。そこで初めて、自分たちで遊ぶようになることもあります」

かつては友だちと公園などでワイワイ遊ぶなかで、全身が鍛えられ、体の基盤が作られていた。でも、今の子どもたちに昔と同じように遊べというのは、環境の変化を考えると、難しいところもある。

「体力面を考えるなら、なるべく親もゆとりを作って、休日には子どもと一緒に外遊びをすること。友だちとの遊びは、発達段階に応じて自然に育っていきますよ」

環境の変化はあるし、発達段階の個人差はあるものの、子どもは自分なりに遊びを考えていくはず。大人が先回りして心配する必要はないのかも。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

菅原裕子
菅原裕子
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事/有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役
子どもの自立 をサポートする親や先生、子どもの養育者、教育者のためのプログラムを提供。『子どもの心のコーチング』(PHP研究所)など、多数の著書がある。
子どもの自立 をサポートする親や先生、子どもの養育者、教育者のためのプログラムを提供。『子どもの心のコーチング』(PHP研究所)など、多数の著書がある。