“むきむき体操”しないとどうなる? おちんちんと病気 の関連性

第2回 もう悩まない!子どもの包茎
「この世のなかから、包茎手術を少なくするため…なるべく早く、できれば赤ちゃんのうちにおちんちんをむきましょう!」と語るのは、厚木市立病院・泌尿器科の岩室紳也医師。「早い時期からおちんちんを触らせて大丈夫?」「逆に、精通を促すことになるのでは?」そんなママたちの心配の声も聞こえてきそうだが、実は、包茎=おちんちんを清潔に保てないことが、将来パートナーのがんの原因になることが、昨今、医学的にも立証されている。そこで岩室医師が、「性器の不衛生がパートナーに及ぼす悪影響」を教えてくれた。

●おちんちんにヒトパピローマウイルス(HPV)が付着する?

「HPV(ヒトパピローマウイルス)は、コンドームなしのセックスで男性のペニスから子宮頸部に感染し、子宮頸がんに進行することがあります。ペニスを洗わないと、垢もHPVもばい菌もたまります。男の子がペニスを清潔にしてさえいれば、HPVも減り、パートナーを危険にさらす心配も少なくなります。言わば、ペニスを 洗ってウイルスを排除し、コンドームをつけてSEXすることは、男性のエチケットとも言えるのです。こんな単純なことを、大人たちがきちんと指導していないこと、医者が予防をしっかりと促さないことこそが、子宮頸がんの罹患率を上げているとも言えます」(岩室氏 以下同)。

コミュニケーション能力の低下により、親や友だち、銭湯で出会ったおじさんから、「ちゃんとむいて洗うんだぞ!」と教わることもなくなり、「30歳になっても、おちんちんを1度もむいたことがない」という男性が増えているそう。

「お医者さんに相談しても、かかる医者によって言うことがバラバラなので、迷った挙句にそうなってしまったというケースも考えられます。不要な包茎手術をひとつでも減らし、“健全な男子”を育てることが、我々大人の今後の課題でもあります。子宮頸がんワクチンを打つ・打たないだけでなく、その前の予防教育を充実させるべきなのです」




銭湯で性教育

また、おちんちんを不衛生にしていることで、陰茎がんのリスクが高まることも医学的にも立証されているという。

「陰茎がんを発症するのは、真性包茎で包皮内を清潔にできない人が大半を占め、仮性包茎で包皮内を清潔にしている人や常に亀頭部が露出している状態の人は、ほとんど陰茎がんにならない…これは、泌尿器科医の間で常識となっています。包皮内を清潔にし続けることこそが、陰茎がんの予防にもつながるのです!」

“むきむき体操”でむけた後も、常に清潔にを心がける…ママの心得としても知っておくべき課題だ。
(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

むきむき体操・岩室紳也先生
岩室紳也
ヘルスプロモーション推進センター(オフィスいわむろ)
自治医科大学卒業。へき地医療に従事後、泌尿器科専門医に。自らを“コンドームの達人”と名乗り、思春期の性教育にも積極的に参加。性感染症は性生活習慣病ととらえ、HIV/AIDSの診療も手掛ける。
自治医科大学卒業。へき地医療に従事後、泌尿器科専門医に。自らを“コンドームの達人”と名乗り、思春期の性教育にも積極的に参加。性感染症は性生活習慣病ととらえ、HIV/AIDSの診療も手掛ける。