育児を「いいわけ」にするママの心理

第1回 育児を「いいわけ」にしないママになる!
専業主婦、ワーキングマザーを問わず、子どもを育てることは大変な仕事。だがそれはそれとして、子どもを「盾」に、育児を「いいわけ」にしてしまったことはないだろうか?

そんな質問に対して、育児中のママたちがこっそりと本音を教えてくれた。

「あまり乗り気じゃなかった友だちとの約束を、『子どもが体調悪くなっちゃって~』と嘘ついてドタキャンしたことがある」(千葉県・29歳・3児のママ)

「子連れで人と会うとき、出掛けにバタバタしてほぼ毎回待ち合わせに遅刻してしまう。『だって子どもが2人もいるからしょうがないでしょ!』という甘えの気持ちが自分の中にあることはわかっているんだけど…」(愛知県・36歳・2児のママ)

「子どもが幼稚園に入るまで、小学校に入るまでは、学童が落ち着くまで、2人目を産んだから…と、そのときどきで何やかんや理由を見つけて、働くことからのらりくらり逃げている」(埼玉県・28歳・2児のママ)

「あ、私もそうかも」とドキッとしたママは要注意。一度や二度なら許される嘘や甘えかもしれないが、その「いいわけ」が積み重なると、ママたち当人の人生にマイナスの影響を及ぼすかもしれないのだ。

幼稚園生の子に寄り添う母親

●育児ストレスが「嘘」「いいわけ」につながる

そもそも、ママたちはどんなときに育児を「いいわけ」にしてしまいがちなのだろう? 子育て心理学.協会代表理事にして育児相談のスペシャリストでもある東ちひろさんに聞いた。

「子育ては24時間365日続くもの。疲労困ぱいするときがあって当たり前ですし、周囲に育児をサポートしてくれる人が少ないとママたちの抱えるストレスは増大します。その結果、常に精神的・肉体的な負担を抱えているママたちも少なくありません」(東さん 以下同)

ストレスがたまって心が疲れている状態だから、「嘘」をついたり「いいわけ」を重ねたりしてしまう。つまり根本の原因は、ママたち自身が育児に煮詰まってストレスを抱え込んでいるからにほかならない。

「子育てに煮詰まっている状態が慢性化すると、子どもものびのびと成長しませんし、母親自身の心も不安定になります。解決するには、まずは一番の課題である子育てをうまく回すことが肝心。その見通しがついてきたら、自然に自分の時間も作りやすくなるはずです」

ストレスが取り除かれ、ママ自身の心が安定すれば、無駄な「嘘」や「いいわけ」を口にする必要もなくなるはず。自分の人生にまっすぐに向き合う余裕も生まれてくるだろう。

育児を「隠れみの」にするのではなく、育児をポジティブに楽しみながら、自分の人生も充実させていこう。「嘘」や「いいわけ」を口にしないで人生を楽しんでいるママの姿は、きっと子どもたちの成長にもいい影響を与えるはずだから。
(阿部花恵+ノオト)

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お話をお聞きした人

東ちひろ
東ちひろ
一般社団法人.子育て心理学.協会 代表理事
幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、子育て心理学.協会代表理事に。心理学とコーチングを用いた独自の手法で2万件以上の育児相談に対応。
幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、子育て心理学.協会代表理事に。心理学とコーチングを用いた独自の手法で2万件以上の育児相談に対応。