モラセスという言葉を聞いたことはありますか?海外ではクッキーやマフィンなど、お菓子のフレーバーとしてよく使われていますが、日本では馴染みがないかもしれません。味やその黒い見た目から、黒糖の仲間ではと思ってる方も多いでしょう。今回は謎多きモラセスについて詳しく解説していきます。
モラセスとは
モラセスとは、砂糖をつくる際に原料のサトウキビやてんさいの汁から除去される液体です。
糖蜜、廃蜜糖ともいわれ、栄養素は特にミネラル分を多く含みます。味は砂糖より甘味が少なくクセのある黒糖のよう。
好みがわかれ、そのままではなめられないほどクセを感じる人もいますが、お湯に溶かしたり牛乳や豆乳、コーヒーなどに加えたりすればコク深く美味しく飲めるという意見も。
日本ではあまり馴染みがなくスーパーで見かけることもあまりありませんが、カルディコーヒーファームなどの輸入食品店では一部置いてあるところも。
価格は350ml入りで700円前後〜1000円前後が多いです。
製造方法によるモラセスの種類
モラセスには3種類あり、作り方によって分けられます。
1つ目は「ライトモラセス」といい、廃蜜糖を1回煮立たせたもの。味は3つの中で最もマイルドです。
2つ目は「ブラックストラップ」といい、廃糖蜜を3回煮立たせたもの。
黒くどろっとした液体でコクがあり、クセを感じやすいのが特徴です。それゆえそのままでは食べづらいという人もいるようです。
3つ目は「ダークモラセス」といい、廃蜜糖を2回煮立たせたもので、ライトモラセスとブラックストラップの中間に位置するような味わいと状態です。
「ブラックストラップ」は他のモラセスより煮沸回数が多いため水分もとび、ライトモラセスの数倍の栄養価がギュッと凝縮されています。
どんなモラセスを使用するか迷った際は、食べやすさを重視するなら「ライトモラセス」か「ダークモラセス」、栄養価を重視するなら「ブラックストラップ」を試すと良いでしょう。
なお、一般に販売されているモラセスは、サプリメント代わりに購入する人が多いためかブラックストラップが主となっているようです。
栄養価が高いってほんと?
モラセスは特にミネラル分を多く含んでおり、ミネラルが不足することによって起こる身体の不調によく効く食材です。
特徴が似ている黒糖と比べると、モラセスはショ糖という砂糖の主成分が少なく、その分他の栄養価が濃縮されています。
モラセスの栄養素は次のとおり
ブラックストラップ、ライトモラセスなど物によって数値に違いはあるため、実際には購入したモラセス の栄養成分表示を確認するようにしましょう。
含まれている栄養素の効果と働き
マグネシウム
体内での酵素の反応の促進、筋肉の正常な動き・神経を落ち着かせる・骨を丈夫に保つためなどに重要な栄養素です。特にモラセスのマグネシウム含有量は黒糖が100gあたり31mgであるのに対し242mgと非常に多く含まれています。
鉄
全身に酸素を運びます。鉄が足りないと酸素が体内に行き渡らず、疲れやすくなったり、頭痛・動悸などの症状がみられたりします。
カルシウム
骨格の形成や、ホルモン・酵素を活性化させて体の調子を整えたり、イライラを抑えるなど神経の働きを正常に保ったりします。
カリウム
対外から余分な塩分を排出し、むくみの予防・血圧を下げることを助ける働きがあります。
銅
鉄の作用に必要。銅が不足すると鉄が主成分のヘモグロビンが生成されずに貧血を起こします。また、多くの酵素反応に必要で、体の調子を整え成長を助けます。
セレニウム
老化防止につながる抗酸化作用をもつ成分として注目されています。また、甲状腺ホルモンの正常な代謝なども助ける効果も。もしセレニウムが足りないと汗を異様にかくなどの変化が起こることも。
ビタミンB6
体内の多くの酵素反応に必要な成分で皮膚トラブルの予防や貧血防止など、体の調子を整えます。また一部女性ホルモンが正常に分泌されのにも必要です。
配信: トクバイニュース