握り方で本当に味は変わる?食べ比べで検証!
ここまで、おいしいご飯の炊き方&おにぎりの握り方を紹介してきましたが、本当に味や食感に違いがあるのか気になる人もいるはず。
そこで今回は、正しい炊き方で炊飯したご飯を使い、普段通りに握った場合と小池さん直伝のやり方で握った場合で違いがあるのか、食べ比べを実施しました!
検証では、おにぎりに適したお米「星空舞」を使用
今回の検証では、粒立ちがよくツヤがあり、はね返るような食感が楽しめる鳥取県のブランド米「星空舞(ほしぞらまい)」を使用して比較しました。星空舞は2018年に販売開始されたばかりの新しい品種のお米で、冷めても食感が変わらない特徴があり、おにぎりにもぴったりなのだそう。
つまり、とっても品質のいいお米を使って検証するので、基本的な味のよさは保障されているというわけです。また、同じ炊飯器で炊いたご飯を使用しており、握り方以外の条件はすべて同じです。
まずは、いつも通りに握ったおにぎり
検証を担当した編集スタッフは、普段からおにぎりはラップを使って握っているのですが、ご飯にあらかじめ塩を混ぜ、形が崩れないようしっかりめに握っていました。
実際に握ってみたおにぎりがこちら。多少のいびつさはあれど、見た目は悪くないと思います。
さっそく食べてみると……ふつうに、いやかなりおいしい(笑)炊きあがりを見たときから感じていましたが、ご飯の粒がぴかぴかで香りもよく、しゃきっとした歯ごたえで程よい甘みが感じられます。これは完全にお米そのものの良さが出てしまっていますね……。
あえて気になる点を挙げるなら、あらかじめ塩を混ぜてから握ったため、塩味を強く感じるところと全く感じないところでばらつきがあったこと、形を整えるために強めに握ったため、ところどころご飯がつぶれてしまっていたことでしょうか。
とはいえ、家庭で作るおにぎりであれば気にならない範囲といえそうです。
続いて、小池さん直伝のやり方で握ったおにぎり
五ツ星お米マイスター・小池さん直伝のやり方で握ったおにぎりがこちら。
優しく握ることを意識したため、見た目は先ほどのものより綺麗ではありませんが、これは握る人の技量によるものなので悪しからず。
先ほどのおにぎりが十分おいしかったのでちょっと心配になりつつ食べてみると……
なるほど……!小池さんが教えてくれたコツの意味がわかりました。
まず、口に含んだ瞬間にほのかな塩味を感じるのですが、塩はおにぎりの表面にしかついていないため、食べ進めるうちに引き立つのはご飯そのものの甘さです。加えて口の中でほろっと崩れるご飯の“ほぐれ感”、これは先ほどのおにぎりとは全く異なっていました。ご飯一粒一粒の粒感がしっかり感じられ、しゃっきりとした食感がより際立っています。
塩の加え方もおにぎりの握り方も、ご飯のおいしさを最大限に引き出すために考えられたもので、おにぎりの主役はお米なんだ!ということを強く感じる仕上がりでした。お米ってこんなにおいしいんだ!と再確認できるので、とっておきのお米を使うときにこそ、この握り方を試してみてほしいです……!
結論、お米のおいしさを最大限に楽しめるのは…!?
食べ比べの結果、どちらの握り方でもおいしいものの、お米のおいしさをより感じられるのは小池さん流の握り方であることがわかりました!
つまり、おいしいお米であればあるほど、このやり方で握ると素材そのものの味わいをしっかり堪能できるということ。これは比べてみてこそわかる違いなので、気になる方はぜひ食べ比べをしてみてくださいね。
お米の銘柄によるうまみの違い
さて、検証結果を見て「握り方よりどのお米を使うかの方が重要なんじゃないか」と思った方もいるのではないでしょうか。そこで最後に紹介したいのは「お米の銘柄によるうまみの違い」についてです。
「おいしいおにぎり」と一口に言っても、味や食感の好みは人それぞれ。そのため、「自分史上最高のおにぎり」を作りたいなら、まずは自分好みのお米を知る必要があります。
小池さんに教えてもらった、銘柄による味と食感の特徴は次のとおり。
日本でもっとも作付けが多い品種は「コシヒカリ」なので、多くの人にとって馴染みがありのは「もっちりしていて甘い」お米といえます。しかし、小池さんいわく近年は「もっちり」より「しゃっきり」としたお米の方が人気なのだそう。
実際に、小池さんが所属する「一般社団法人おにぎり協会」が2017年・2018年に開催した、おにぎりに適したお米を選出する「おにぎり食味会」では、2年連続で「つや姫」がグランプリを獲得。お米の粒が立っていて、表面はぱりっと、中はもっちりとした“外硬内軟”なお米の評価が高かったそうです。
たかがおにぎりと侮ることなかれ、使用するお米の品種によって、味や食感は大きく変わってくるのです。ぜひ、色んなお米を食べ比べて自分史上最高のおにぎりを作ってみてくださいね!
配信: トクバイニュース