●空き缶やたばこを玄関前にポイ捨てするヤンママ!
CASE1:マンションの階下に住む独居老人が、すぐに怒鳴り込んでくる。
「私たち家族が住む階下には、70代のおじいさんが1人暮らししています。かなり神経質な性格のようで、子どもが夜バタバタすると、すぐに玄関のピンポンが鳴り、『もう少し静かにできないのか!』と怒鳴られます。またある日は、我が家が布団を干していると、またおじいさんがやってきて『お宅の布団がぶら下がっているのが、うちのベランダから見えるので不快。景観を損なう! そんなことも配慮できないのか!』くどくどと文句を言われました。子どもがいれば、ある程度の足音はしかたがないと思うし、布団まで注意されるのは、いささか神経質すぎないか…と思うのですが、どう対処したらよいでしょうか?」(40代・Aさん)
集合住宅では、隣近所から漏れる音や洗濯にまつわる不快感の問題が生じやすいと語る大美賀氏。
「まずはお互いに、ある程度妥協して生活するのが前提ですね。相手が1人暮らしのご老人であることから、日常的にコミュニケーションを取る相手がおらず、隣近所の物音や気配が必要以上に大きく感じられてしまうことが考えられます。クレームを言われたときは、相手の気持ちに寄り添うような優しい聞き方で、とことんじっくり相手の言い分を聞いてみてはいかがでしょうか? それだけで相手の気持ちが晴れ、次第にいい関係へと発展するケースもあります」(大美賀氏)
CASE2:隣の家族が怖い!
「私は70代の独居老人です。新築の家を建てた矢先、主人に先立たれてしまいました。1人暮らしになってからというもの、私が換気扇や暖房などをつける度、隣に住むヤンママが、わざわざ窓を開けて、『うるせえんだよ、このくそババァ!』などと暴言を吐きます。娘や孫が遊びに来ている時は大丈夫なのですが、私が1人になった途端、ヤンママの態度が豹変します。窓を乱暴に開け閉めし、子どもを大声で怒鳴り散らすことも多いです。また、家の前にたばこの吸い殻や空き缶などを捨てられることもあります。ストレスがたまって引っ越しも考えましたが、主人との思い出が残る家を手放したくありません」(70代・Bさん)
このようなケースの場合、「一刻も早く、何かしらの手を打つべき」と語る大美賀氏。
「隣りの方は、何かしらあなたに不満があるのでしょうね。まずは何について不満があるのか、そこを明らかにするのが必要です。一人で聞くのが怖ければ、娘さんや親戚の方と一緒に聞きにいってみてはいかがでしょうか? それでもらちが明かない場合は、自治会の役員さん、民生委員さんに相談してみるという手もあります。お互い、ストレスが大爆発する前に何かしらの手を打つことをおすすめします」
相手に不満を伝える時は、「感情」と「問題」を切り分けて考え、「困っている問題」のみ伝えること。相手への不快感や苛立ちなどの感情は、問題が解決されれば自然に消失するという。
「当人同士が問題を放置して不快感を募らせていくと、相手への憎悪が膨らみ、事態をより悪化させてしまうこともあります」
隣人だから…と躊躇せず、我慢できないトラブルが発生したら、何かしらのアクションを起こすことが賢明だ。
(取材・文/蓮池由美子)