保護者が気を付けたい「保活トラブル」

第269回 今日の注目を紹介! ママニュースアンテナ
子どもを保育園に入れるために行う活動、いわゆる「保活」。幼子を抱える保護者にとっては悩ましい保育園入園問題だが、それだけに行き過ぎた保活でトラブルに発展してしまうケースもあるようだ。

保護者が気を付けたい「保活トラブル」

●悪質な「ポイント稼ぎ」には刑事罰も

まず、ここのところ問題となっているのが、入園を有利にするための「裏技」がエスカレートしていること。認可保育園では保護者の勤労状況、家庭環境などをふまえてポイント化し、受け入れの基準としているが、このポイントを稼ぐために、最近では「偽装離婚」をしてシングルマザーを装うケースまであるといわれる。

当事者にとってはそれだけ切実ということなのだろうが、なかには法に抵触する「裏技」もある。たとえば、選考を有利にするため実際は時短勤務にも関わらずフルタイムと偽れば「私文書の偽造罪」になる。虚偽内容で書類を作成し申請してしまうと、刑事罰を受ける可能性もあるのだ。

●保活が原因の金銭トラブルとは?

また、本命の認可保育園に加え、複数の施設を“滑り止め”として予約している場合、金銭トラブルにも発展しやすい。認可保育園に入れなかったときのため、結果が出る前に複数の認証保育園、無認可園をキープしておく保護者は多いが、問題は認可保育園に入れることになりその他の施設をキャンセルしたときだ。その場合でも、支払った入園金などは返金されないケースが少なくない。たとえ、数万円を無駄にすることになっても、我が子を待機児童にさせないためのコストとして割り切るしかないのかもしれない。

さらには、少ない枠を奪い合う熾烈な競争に疲れ「保活うつ」に陥ることも。育休期間中にもかかわらず保活に追われ、ゆっくり子どもと向き合えず自分を責めたり、あるいは希望の保育園への入園が叶わず「ブラック保育園」と呼ばれるような劣悪な環境の施設にあずけてしまったことで心痛を負うケースもあるようだ。

「保活」という言葉が注目され、ノウハウやテクニックを紹介するメディアも少なくない。だが、実際に保活に臨むにあたっては、その裏にあるトラブルのリスクにも目を向ける必要がありそうだ。

(前田智行)