●母性と性的魅力のバランスを意識
「男性は女性に対して母性とセクシャリティの両方を求めます。マザコン夫は、幼い頃に自分が母親の要求を満たす側だったので、妻に理想の母親を求め、満たしてもらえなかったものを満たしてもらおうと母性についての要求が高くなりがちです」(中西さん 以下同)
夫が「理想の母親像」を求めているからといって、妻がそれに応えて母性を強調することは望ましくない。望みをなんでも聞く、身の回りの世話を全てやってあげるなど、夫に小さな子どものように接すると、夫は妻を母親としてしか見られなくなってしまうそう。
「妻が夫の母親的存在になってしまうと、母親相手に性的な興奮を感じるのは嫌なので、ほかに性的な満足を求めて浮気をするケースが多くなります。かといって、マザコン夫を相手にあまり性的魅力を出しすぎても、同じく別の女性に理想の母親像を求めるようになります」
マザコン夫の妻は「母性」と「セクシャリティ」のバランスを意識して、どちらかに偏らないように意識することが大切だ。この場合のセクシャリティには「さすが!」などと男性を褒める、頼るなど「男性を立てる」言動も含まれる。なんだか夫がとても身勝手に思えるが…。
●夫の母と競うのはNG
夫のマザコンぶりに腹が立っても、夫の母親と競うのはやめたほうが得策だ。
「『私とお義母さん、どっちが大事なの』と選ばせようとしたりすると、夫は追い詰められて逃げたり、引きこもったり、逆切れしたりします。仮に競って勝ったところで、お母さん代わりにされるだけです。母親役はお義母さんにお任せしておきましょう」
また、マザコン夫を選んでしまうのは、妻側の要因も考えられるそう。
「人は異性の親との心の距離をパートナーとの間で再現します。妻が父親との心理的な距離が遠い場合、無意識のうちにマザコンをパートナーとして選んでしまうことがあります。マザコン夫の意識は母親に向いている分、妻との心の距離が遠くなるため、妻が父親と同じ距離感を再現している可能性があります」
「幼い頃、父親がほとんど家にいなかった」「父親が怖くて近寄れなかった」という女性は、マザコンをパートナーとして選んでいるかもしれない。マザコン夫に悩んでいる人は、自身の幼少期のことも振り返りつつ、冷静な気持ちで接していくことが重要だ。
(ノオト+北東由宇)