夏頃に旬を迎えるいちじく。そのまま食べるのはもちろん、ジャムやコンポートなどにしていただいても美味しいですよね。いちじくは食物繊維やミネラルが豊富で、栄養価も高いフルーツです。そこで今回はいちじくの栄養価と栄養を効率よく摂取できるおすすめの食べ方をご紹介します。
いちじくの主な栄養素
生のいちじくは85%が水分でとてもみずみずしいのが特徴です。水溶性食物繊維のペクチンや、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、酵素のフィシンなど、後述する女性に嬉しい栄養素も豊富に含まれています。
その栄養素の多さから「不老長寿の果物」と呼ばれることもあるほど。
ドライいちじくはもっとミネラルが豊富!
ドライフルーツになると、生の時より水分が減るため栄養素がぎゅっと凝縮されます。一回に食べるおおよその量、生1個(約100g)とドライいちじく4~5粒(約30g)で比較した場合、特にカルシウムは約2.2倍、食物繊維は約1.6倍、マグネシウムや鉄は約1.8倍になります。
ただし、その分エネルギーや糖質も多くなるため、食べ過ぎには注意が必要です。
いちじくの栄養素とその効果
それでは、いちじくに多く含まれる栄養成分についてそれぞれの特徴をご紹介します。
ペクチン
ペクチンは水溶性の食物繊維です。特に水溶性の食物繊維にはコレステロールや糖質の吸収を抑える働きがあるため、食後の血中コレステロールや血糖値の上昇を抑えてくれます。
また、腸内の善玉菌を増やす働きもあるため腸内環境を改善する効果も期待できます。
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類ありますが、いちじくには不溶性の食物繊維も豊富に含まれます。不溶性食物繊維には腸の動きを刺激する働きがあり、便秘予防の効果も期待できます。
アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種です。このポリフェノールには高い抗酸化作用があり、動脈硬化や老化の原因になる活性酸素を取り除いてくれる働きがあり、アンチエイジングにも一役かってくれます。
また、アントシアニンには視力の回復や肝機能を高めてくれる働きもあります。皮の色が濃い品種ほど果肉の色も濃く、アントシアニンが多く含まれているといわれています。
フィシン
いちじくを切ったときに出てくる白い乳液にはフィシンという酵素が含まれています。
フィシンは、たんぱく質を分解する酵素のため、肉料理の下準備で使うことで肉を柔らかくする効果や、焼き肉などを食べた後のデザートとして食べると消化を助けてくれる効果が期待できます。この効果を利用して枝や葉から乳液を採取し、イボなどを治す民間療法もあるくらい強力な作用があります。
ただし、このフィシンが原因で手がかゆくなったり口が腫れて痒くなる可能性もあります。食物アレルギーがある方や花粉症などのアレルギー体質の方は、少し注意が必要です。
カリウム
いちじくはカリウムを多く含みます。塩分を多く摂ると体内の塩分(ナトリウム)濃度を下げるために体が水分を多く取り込もうとし、結果的にむくみにつながります。
カリウムはその余分なナトリウムを排泄し水分調整を行って、むくみを予防してくれる効果が期待でき、また、血圧上昇を抑えるはたらきもあります。
カルシウムと鉄
特別多くはありませんが、いちじくにはカルシウムと鉄も含んでいます。
とくに女性は更年期以降に女性ホルモンの分泌が減って骨が脆くなりやすいため、カルシウムは積極的に摂っておきたい栄養素です。
鉄も不足すると疲れやすくなったり食欲不振など様々な不調につながるため、意識して摂っておきたい栄養素です。
配信: トクバイニュース