「習い事でお子さんの才能を開花させる、伸ばすためには、まず習い事の選び方がとても重要になります」
そう話すのは、子育て本作家の立石美津子さん。では、どのような習い事をさせたらいいのでしょうか?
「習い事の選び方で大切なのは、子どもが興味をもっていること、好きなこと、得意なこと…など、夢中になれるものであることです。大人だってそうですよね? “手先が不器用だから手芸を習おう”とは思わないように、苦手なことにあえて挑戦したくはないですよね。子どもだって嫌なことはやりたくないものです」
ところが、多くの親御さんは次のような理由で習い事を選んでしまいがちだという。
・運動が苦手だから、サッカーを習わせよう!
・落ち着きがないから習字を習わせて、落ち着かせよう
・野球をやりたいと言っているけれど、サッカー選手にしたいからサッカーを習わせよう!
・お友だちがやっているから、わが子も○○を習わせよう!
・友だちとのコミュニケーションが苦手だから、チームプレーのスポーツをさせよう!
「ハッとさせられた親御さんも多いのでは? これらの理由は、どれもあまりオススメできません。なぜなら、どれも子ども自身の意思は尊重されず、親本意の理由だからです。なかでも、苦手なものから入る場合、お子さんにとって辛く大変なだけでなく、自信を付けさせることは、とても遠い道のりになってしまうのです」
さらに、なかなか成功体験も味わうことができないので、そのストレスから意欲もどんどん失われていってしまうそう。
「つまり、選ぶ基準を間違えると、せっかくの習い事がかえってお子さんの可能性を奪うことになってしまうこともあるのです」
習い事をさせるうえで忘れてはいけないことは、“子どものモチベーションを最優先にすること”だと、立石さんは話します。
「“ハンカチの作用”という心理学などで用いる造語があります。床に落ちてしまったハンカチを拾い上げようとするとき、ハンカチの真ん中を指でつまんで上に持ち上げると、四隅も自然と上がっていきます。しかし、四隅をすべてうまくつまもうとすると、うまくつかめずに、結果的にハンカチを拾い上げるといった当初の目的にすら至りません。つまり、子どもの教育でも、全部を平均的に伸ばそうと手を下すよりも、好きなことや、自分は○○ができる! という、強みを見つけて重点的に強化したほうが、結果的に他の苦手なこともチャレンジしたり頑張る力につながり、子どもはどんどん伸びていくのです」
昔から、“好きこそ物の上手なれ”ということわざもあります。お子さんの才能を開花させたいなら、“役に立つかどうか?”の基準ではなく、まずは好きなことや、得意なことで“自信”を付けさせることから。それによって、可能性はさらにどんどん広がっていくようです。ぜひ、日々のお子さんの様子や体験レッスンなどを通して、夢中になれる習い事を見極めましょう!
(構成・文/横田裕美子)