「ドライアイは、涙の量の減少などにより、目がゴロゴロする、乾く、疲れる、痛い、充血するなどといった症状が生じる病気です。原因は、エアコン、パソコン(PC)、コンタクトレンズの『3コン』といわれています。すべて当てはまる人も多いのではないでしょうか」(石岡先生 以下同)
PCがドライアイの原因になる理由については、「まばたきが減ること」が以前から指摘されていた。しかし近年、涙に含まれるたんぱく質「ムチン」がPC使用で減ることもわかってきたそう。
●ドライアイ同様、スマホの使用で増えている「夕方老眼」
さらに、PCやスマホの多用により「夕方老眼」というものも最近増えていると聞く。一体、どんな症状なのだろうか。
「『夕方老眼』とは、そういった病名があるわけではなく、本当の老眼とも別ものです。手元の細かな作業を集中して長時間行った後、パッと顔をあげると、見えにくいことがありますよね? 『スマホ老眼』とも呼ばれ、夕方になると疲れによって老眼のようになることをいいます」
PCだけじゃなく、スマホ使用により、目のトラブルが増えているというが、PCとスマホとの違いは?
「いちばん大きな違いは『目からの距離』です。もうひとつは使用時間で、PCだけの時代は、土日には使わない人も多くその間に目の疲労が回復していましたが、スマホは休日もずっと見たりしていることで目を休ませる時間が少なくなったことは挙げられます」
厚労省では、PC使用1時間につき10分間休むことを勧めているが、「遠くを見る」ことが実は非常に大切だそう。
「手元ばかり見ていることで、近くにピントが合ってしまい、戻らなくなっている人が多いのです。近視が進んだように見えるので、メガネの度数をどんどん強くしがちですが、本当はピントを合わせる筋力が弱っているだけということがあります」
対策としては、ドライアイにはまず「市販のドライアイ用の目薬を使ってみる」、夕方老眼には「週末だけでもPCやスマホを断ってみる」ことがオススメだそう。
30~40代くらいまでは目の病気は本来少ないそうだが、危機意識のなさから、トラブルを長期間放置し、悪化させてしまう人は多いよう。
トラブルは軽視せず、また、「休肝日」じゃなく「休眼日」を意識的に設けてみるのも良いかも。
(田幸和歌子+ノオト)