●子どものためならお金に糸目をつけない40代
「30代で第一子を出産したと想定すると、40代はちょうど子どもが小学校の頃でしょう。自分のためなら我慢できる出費も、子どもには何でもしてあげたいと思ってしまうのが親心。私も子どもがいるので経験がありますが、習い事も色々やらせたいし、ほしそうにしているものがあったら買ってあげたくなるものです。そうなると、学校の授業料以外でも月に3万円くらいの教育費の出費が当たり前になってしまいます。さらに、私立の中学や高校に入れたいと思ったら、小学校4年生くらいから塾に通わせることも必要。そうなると、あっという間に年間100万円近くの出費になってしまいます」
●教育資金が本格的に必要になる50代
「子どもが高校から大学にあがる頃になり、いよいよまとまった出費が目立ってきます。高校が私立であれば、年間100万円から150万程度は考えておいた方がいいでしょう。また、大学も国立と私立では掛かるお金も4倍近く差があります。最近は、奨学金で大学に通う子も多いようですが、卒業と同時に500万円近くのローン返済を背負うことになります。実家暮らしであったり、正社員であれば返済も苦しくないはずですが、一人暮らしをしていたり、非正規雇用で返し続けるのは大変です。子どもにそうした苦労をかけないためにも、学資保険に入っておくなどして、大型出費に備えることが必要でしょう」
●親の介護が視野に入ってくる60代
「この年代になると親も高齢で病気をしたり、介護を必要としたりする頃です。親が保険に加入し、しっかり貯金できていればいいですが、家族として経済的にも助けてあげなくてはいけない場面も少なくないはず。病気の治療の場合、高額療養費制度で、自己負担額を超えると戻ってくるものもありますが、一部の高度医療などは自由診療のため、健康保険でカバーできないことも多いです。普段から病気になったときの備えについて、親と会話しておくことが望ましいでしょう」
●自分の病気や終の棲家が心配になる高齢期
「70代から80代になると自分も何かしらの病気を経験し、療養をしているという人が増えてきます。いまや国民病ともいわれるようなガンなどの大きな病気になってしまったとき、個人で掛けている保険があれば問題ないかもしれませんが、長期的な治療や先端医療などで数百万のお金が必要になるケースもあります。また、国民年金や厚生年金もいまより4割近くカットされることも現実味を帯びてきています。持ち家でローンを返済し終えていれば心配はいらないかもしれませんが、賃貸であれば住まいをどうするかも考えなくてはいけません。質の高い高齢者施設に入居しようとすれば、頭金で数百万円以上掛かることもさらにありますので、終の棲家をどうするか早いうちから考えておいた方がいいでしょう」
備えあれば憂いなしといいますが、これからの人生でどのような出費が必要になってくるか、頭の片隅に入れておきながら家計を組み立てることが大切なのかもしれません。
(構成・文 末吉陽子/やじろべえ)