●妊娠6カ月の時に浮気され…
33歳のTさんは、宮沢りえ似のスレンダー美女。バツイチで小学生の娘を抱えているが、某カード会社で契約社員として働いているうちに、同じ部署に勤めるエリート社員の現夫と恋に落ちた。
「はっきり言ってビジュアルもそれほどよくないし、ちょっと太めなので、最初はまったく興味がなかったんです。でも、しつこく誘われるうちにデートするようになり、彼はすぐに、私が娘と暮らす部屋を訪れるようになりました。今思うと、単純に遊び相手がほしかったのかもしれませんね」(Tさん 以下同)
Tさんの娘も、人柄がいい彼にすぐなつき、土日はまるで家族のように動物園や遊園地に出かけた。
「やっぱり、娘が彼のことを気に入ったことが大きかったですね。前夫とは、彼が職を失ってヒモ生活になったことで別れました。今の夫は、正社員で早稲田大学卒。生活が安定している彼と結婚すれば、私もがむしゃらになって働く必要もなくなるし“娘の幸せも望めるかな?”と思いました。娘に、“ママ、寂しいから早く結婚して!”と言われたこともありました」
結婚を前提に交際を続け、やがてTさんは妊娠。それを機に、籍を入れることになったが、当初夫は、あまり結婚に積極的ではなかったという。
「妊娠したと告げた時、彼が“えっ?”という顔をしたんですよ。あれほどしつこく口説いてきたくせに、いざ結婚となると腰が重くて、どうやら自分の両親にも、この結婚を反対されていたようです。彼の両親とは1回しか会ったことがなくて、やはりその時も風当たりはきつかったですね。私の妊娠を機に夜の生活もなくなったので、彼の帰りが遅くなる度、何となく心はザワザワしていました」
妊娠6カ月の時のことだった。「出張だ」と言って外泊した夫を、なぜか不信に思ったTさんは、出張から戻った夜、何気なくカバンとお財布を検査したという。
「本当に女の直感ってよく働くんですよね~(笑)。カバンからはホテルの領収書が出てきましたし、財布の中には、“入店人数2名”と書かれた高級レストランのレシートが出てきました。レストランの名前をネットで検索したら、夜景が見えるステキな場所でしたよ」
どうしようか思い悩んだものの、やはり夫を問い詰めてしまったというTさん。
「彼はあっさり会社の部下と浮気していることを認め、もうその晩からは、2人の関係は冷めていくばかり。この人の子どもを産んで本当にいいのか? と悩む日々でした」
無事に女の子を出産したものの、なりふり構わず育児に追われるTさんと夫の溝は深まるばかり。収入は安定していたが、夫の帰りが遅くなる日は、ますます多くなったという。
「おそらく、彼女との浮気は続いているでしょうね。離婚を考えたこともありますが、“バツイチで子持ちの私と結婚してくれただけでもありがたいことなのかな”と思うようにしています。今の私は、離婚しても実家には戻れないし、2人の子を抱えて生活していくだけの財力も気力もありません。しばらくはこのまま様子を見ようかと思いますが、“あの時、私が彼の浮気を問い詰めなかったら…”と後悔することはありますね」
シングルマザーの心のすきにつけこみ、妊娠させた後は浮気に走るという夫の“非情”な行動。ママであれば、誰もが怒りを覚えるに違いない!
(取材・文/吉富慶子)