旬の季節になると、ついついたくさん買ってしまうみかん。「親戚やご近所の方から箱ごともらう」ということもあるかもしれません。腐る前に食べきってしまいたいみかんですが、食べ過ぎると身体によくないのでしょうか?そこで今回は、みかんの食べ過ぎによって起こりやすくなる身体への影響と、1日の目安量を解説します。
みかんはビタミンCが豊富な果物!
みかんには「ビタミンC」が100gあたり32mgと、たっぷり含まれているのが魅力のひとつ。ビタミンCは、しみのもとになるメラニン色素の生成を抑える働きや、老化予防に役立つ抗酸化作用があることが知られています。美容を意識する方にはぜひ積極的に摂ってほしい栄養素といえるでしょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
みかんを食べ過ぎるとどうなる?
ビタミンCが豊富で、パクパクと食べやすい形をしたみかん。「身体によさそう」というイメージや、「大量に残っているから」という理由から、ついつい食べ過ぎてしまうこともありますよね。
習慣的にみかんを食べ過ぎると、身体にどのような変化があらわれやすくなるのでしょうか。
肌が黄色くなる「柑皮症」になるおそれがある
みかんの食べ過ぎで手や足が黄色くなり、驚いたことがある方もいるかもしれません。この症状は「柑皮症(かんぴしょう)」と呼ばれるものです。
肌が黄色くなってしまう原因は、みかんに含まれる「カロテノイド」という色素成分。カロテノイドは脂に溶けやすい性質を持つため、摂取し過ぎると身体の脂肪組織に蓄積し、肌が黄色くみえてしまいます。しかし過剰摂取をやめれば、徐々に肌の色が元に戻るといわれています。
柑皮症が原因で大きな病気になってしまう、などといった健康被害はありませんが、皮膚が元の状態に戻るのには数ヶ月かかることも。みかんの食べ過ぎには注意して、適量を楽しむのがおすすめです。
※参照:藤井寺市医師会「医療まめ知識 柑皮症」,徳島県医師会「県民の皆さまへ 柑皮症」
食べ過ぎると太る可能性も
みかんのカロリー(エネルギー量)は、100gあたり49kcalです。ほかの果物100gあたりのカロリーと比較すると、以下のようになります。
・みかん…49kcal
・バナナ…93kcal
・いちご…31kcal
・りんご…53kcal
・キウイフルーツ…51kcal
みかんのカロリーは、りんごやキウイフルーツと大きな差はありません。水分量や糖質の量が多いバナナよりは低く、反対に水分量が多いいちごよりも高いカロリーであることがわかります。
みかんに限ったことではありませんが、食べ過ぎはカロリーの摂り過ぎにつながることが考えられます。さらに食事で摂るカロリーよりも、消費するカロリーが少なければ体重が増える心配も。
みかんの食べ過ぎはダイエットの足かせとなることもあるため、「適量を意識する」「缶詰ではなく生で食べる」などといった工夫をして、上手に取り入れてみましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ビタミンCや食物繊維の摂り過ぎで、腹痛や下痢を起こす?
みかんに豊富なビタミンCは、過剰に摂ると腹痛や下痢、吐き気などの症状を引き起こすおそれがあります。またみかんには食物繊維も含まれますが、食物繊維の摂り過ぎはお腹がゆるくなる可能性も。
しかし通常の食生活において、ビタミンCや食物繊維の過剰摂取による健康被害の心配はないといわれています。腹痛・下痢といった胃腸症状は、サプリメントなど食品以外のものから、ビタミンCや食物繊維を必要以上に摂ったときに起こりやすいと考えられているからです。
そのためみかんの食べ過ぎから、ビタミンCや食物繊維の過剰摂取を心配しすぎる必要はないでしょう。
しかし1日に何個もみかんを食べた場合には、消化不良を起こしたり、水分の摂り過ぎにつながったり……そのほかの理由から、お腹がゆるくなる可能性は考えられます。
こうした観点からも、できるだけみかんは食べ過ぎないことが大切です。
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) ビタミンC」,国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報」,公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」,一般社団法人 日本臨床内科医会「下痢の正しい対処法」
配信: トクバイニュース