生前贈与する際の注意点は?税率や非課税に対象になるのかを徹底解説

生前贈与する際の注意点は?税率や非課税に対象になるのかを徹底解説

生前贈与という言葉を知っていますか?

亡くなってから財産を渡す相続とは異なり、生きている内に自分の財産を子や孫へ贈与することを生前贈与と言います。
相続(相続税)と生前贈与(贈与税)で税率や非課税になる仕組み、控除額まで異なってくるので事前に調べてくことが必要です。

生前贈与した方がいい人と相続した方がいい人

「生前贈与した方がいいか、相続した方がいいか」悩んでいる人も多いと思います。

そこで、生前贈与した方がいい人。逆に相続した方がいい人について、具体的に例を挙げて解説していくので、自分がどちらに当てはまるのか判断してみてください。

生前贈与した方がいい人

まじは生前贈与をした方がいい人について、メリットが受けられるのがどんな人が紹介していきます。

贈与する人が若い

暦年贈与で生前贈与をする場合、毎年110万円しか贈与することができないので、多額の贈与を受けるには長い年月がかかります。

前述した通り、贈与する人が亡くなった場合、3年以内に贈与された財産には相続税がかかってしまいます、そのため高齢の方は暦年贈与には向いていません。

そのため、亡くなるまでの長い年月を過ごす若い人であれば、暦年贈与ができるため、多くの非課税贈与が可能になります。

多くの人に財産を残したい

子供1人に非課税枠いっぱいまで贈与するのであれば毎年110万の贈与になります。

その一方で、孫10人に贈与する場合、最大で毎年110万円×10(人)で1,100万円ずつ贈与できます。

仮にこの贈与を10年続けた場合、1億1,000万円を非課税で贈与することができる計算になります。

なので多くの人に財産を残したい場合は、生前贈与することを推奨します。

特定の人に財産を残したい

メリットで説明した通り、「贈与する相手を自由に選択することができる」ことがメリットの1つです。

「長男はよく面倒を見てくれたから、他の兄弟より多く渡したい」といったような場合、相続ではなく、特定の人に財産を残せる生前贈与をするのがよいでしょう。

注意点としては、遺留分が請求されないように他の相続人にも同意を得とくといいでしょう。

家賃収入のある不動産を贈与したい

家賃収入のある不動がある場合は、相続より生前贈与することをおすすめします。

マンションやアパートを所有していれば、毎月、家賃収入が入っており財産が増えていきます。その所有者の死後、相続する際に相続税が配偶者や子供に課せられることになります。

生前贈与をしておけば、家賃収入は子供の財産となるため、相続税がかかりません。

贈与する人が会社経営者や事業者の場合

会社経営者や事業をしている人の場合、株式や事業用資産、事業所の不動産などの様々な財産があります。

それらの人が亡くなった場合、その遺産を分割するには複雑で難しく、相続人の間で納得がいかないことがあると。相続手続きに長い時間がかかってしまい。事業に支障をきたすことも可能性としてあります。

そのため、事業を誰に任せるのかを生前贈与しておく方が安全です。

相続トラブルが起こる可能性がある

多くの財産がある人が亡くなった後、相続に関することでトラブルが予想されるのであれば、生前贈与をしておき、相続財産を減らすことが得策だと思います。

事前に決めた金額をそれぞれ生前贈与したり、不動産を誰に贈与するなど決定していれば、揉め事なく、相続することができることでしょう。

相続した方がいい人

財産があまり多くなく、基礎控除以内である

財産が多くある場合は前述した通り、節税対策になるというメリットがありますが、相続税の非課税枠は大きく

・基礎控除:3.000万円×(600万円×法定相続人数)

・配偶者控除:1億6,000万円

となっているので、財産が少額の場合は、生前贈与するメリットはあまりなく、通常の相続でも多額の税金が課せられるというわけではありません。

特に基礎控除額以内であれば、全額非課税枠で相続することができるので、生前贈与するメリットはあまりないと言えます。

生前贈与の控除や特例が受ける子供や孫、配偶者がいない

生前贈与が控除や特例で認められる制度は贈与する子供や孫、配偶者に限られることが多いです。そのため、子供も配偶者もいない場合は、控除やと特例を受けれず節税になりません。

贈与税は相続税よりも税率が高いので、控除や特例もなければ生前贈与することで多くの贈与税が課せられる可能性があるので、あまりおすすめはしません。

生前贈与する際の注意点5選

これまで紹介した通り、生前贈与は相続税の対策として有効ですが、注意しなければいけない点がいくつかあります。

そんな、生前贈与する際の注意点を5つ紹介していきます。

3年以内贈与財産の加算対象になる場合がある

先程から孫への生前贈与は3年以内に贈与された財産は加算外と紹介しましたが、例外として加算対象になる場合があります。

①孫が祖父母の法定相続人である

例えば、孫が祖父母の養子縁組である場合は、孫を子として扱うため贈与財産の加算対象となります。

また、祖父母の相続前にその子(孫の父母)が亡くなっている場合、代襲相続を行うため3年以内贈与財産の加算対象となります。

②遺言書に孫が財産受け取ると書かれている

遺言書に孫に財産を相続させると書いてある時は、孫は法定相続人と同様の取り扱いとなるため、3年以内贈与財産の加算対象となります。

➂生命保険の受取人が孫である

祖父母の死亡保険金の受取人が孫になっている場合は、法定相続人と同様の取り扱いになるため、3年以内贈与財産の加算対象となります。

贈与契約書の作成

贈与の成立を証明するためにの証拠として、贈与する人と贈与を受ける人の双方が署名・押印をする「贈与契約書」を作成するとトラブルになった際に最大の証拠となります。

※贈与契約書の例

連年贈与や定期贈与について

毎年贈与を行うことを連年贈与と言い、連年贈与自体はよくあることで問題はありません。

しかし、「定期贈与」と認定された場合、贈与された財産の合計額について贈与税が課せられることになります。

毎年110万円を5年間で孫に生前贈与を決定している場合でも総額550万円に課税される可能性があるということです。そのため、生前贈与する時期を毎年変えることをおすすめします。

そうすれば、「定期贈与」と認定されにくくなります。

孫への学費や生活費は対象にならない

祖父母が孫の「学費」や「生活費」を負担した場合は贈与税の対象にはなりません。

ここでいう「生活費」とは食費、家賃、治療費などが含まれ、「学費」とは学校や塾の学費、交通費などが含まれます。

ただし注意が必要なので、支出した金額が妥当かどうかです。

孫への生活費があまりに高額な場合(例:2,000万円を一括送金など)は贈与とみなされるケースがあるので、注意が必要です。

幼児へ贈与する場合の注意が必要

祖父母から自分で意思表示のできない孫へ生前贈与する時は、注意が必要です。

未成年への贈与は「親権者が財産をもらいます」と意思表示することで成立します。つまり、未成年への孫へ生前贈与を行うとなれば孫の親(祖父母の子)が親権者として契約するということになります。

子供の口座が名義預金である

通帳と印鑑を親が管理しているのであれば、子の財産ではないので、子の名義の預金も注意が必要です。例えば、この状態で毎年100万円の現金が振り込んだとしてもそれは贈与とは言えません。

贈与は「贈与に関して当事者双方が合意していること」「無償であげること」「もらう側は義務も責任を負わないこと」

これらの条件が満たされていることが重要です。

通帳と印鑑が親の管理下にあると子供は口座にあるお金を自由に利用できません。そのため、「預金の所有権が子供に移る」という贈与が成立しないのです。

もし、振り込みを贈与するならば口座や贈与することを子供に伝え、印鑑も通帳も渡しておきましょう。

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