バイクのすり抜けは違反?罰則や事故をした場合の過失割合も解説

バイクのすり抜けは違反?罰則や事故をした場合の過失割合も解説

3、バイクの追い抜きによる事故の過失割合は?

バイクの追い抜きは危険を伴うことが多く、交通事故に発展してしまうケースも少なくありません。

バイクで追い抜いた際に自動車を傷つけてしまった場合、バイクの運転手は自動車の修理代を賠償しなければなりませんし、事故の相手方がケガをした場合、治療費や慰謝料などの支払を求められる可能性もあります。

ただし、自動車側にも過失がある場合は、相手方に対し、過失割合に応じてバイクの修理代などを請求できます。

また、事故形態によっては、自動車側の方が、過失割合が大きくなる可能性もあります。

では、バイクの追い抜きによる交通事故が起こった場合、過失割合はどのようになるのでしょうか。

(1)バイクでの追い抜き時に直進・停止車両と接触

直進中・停止中の自動車と、その横を追い抜こうとしたバイクが接触した場合の過失割合は、下記の通りです。

【自動車:バイク=0:100】

このケースではバイク側の過失が100%ですので、自動車の修理代や相手方の治療費、慰謝料などの全額を賠償しなければなりません。

(2)バイクでの追い抜き時に左折車両と接触

左折しようとしている自動車と、その左側を追い抜こうとしたバイクが接触した場合、基本の過失割合は下記の通りです。

【自動車:バイク=80:20】

自動車には左折時、バイクなどを巻き込まないよう注意する義務があるため、こういった巻き込み事故では、自動車側の過失が大きくなります。

(3)対向車線から追い抜いてきたバイクと右折車両との接触

右折しようとしている自動車が、対向車から追い抜いてきたバイクと接触した場合、基本の過失割合は下記の通りです。

【自動車:バイク=70:30】

ただし、バイク側に著しい前方不注意があったと認められた場合、バイク側の過失割合が10~20%ほど増える可能性があります。

4、バイクの追い抜きでトラブルになったら弁護士に相談

バイクの追い抜きを迷惑に感じるドライバーは、少なくありません。危険な行為であるにも関わらず、追い越し・追い抜きをしても違反にならないケースが多いこと、事故形態によっては自動車側の過失が大きくなることなどを考慮すると、自動車のドライバーがこのように思うのも無理はないでしょう。実際、追い抜きをしたバイクとその近くを走行中・停車中の自動車との間で、トラブルが生じるケースも珍しくないようです。

また、バイクの追い抜きによる交通事故を起こした場合、過失割合や賠償などについて相手方と交渉しなければなりません。

バイクの追い抜きでトラブルになったら、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に依頼して相手方との交渉や必要な手続きを一任すれば、心理的な負担をかなり軽減できるでしょう。

加入している自動車保険やバイク保険に弁護士費用特約を付帯している場合、弁護士費用は保険から支払われますので、金銭的な負担を軽減することも可能です。

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