ときには、そうした心配性のママに対して、「過保護だよ」「親が過干渉だから、子どもが弱くなるんだよ」などと言う人もいるけど…。
もしかして心配性のママの接し方や口癖などが、子どもを変化に弱くさせているのだろうか。あるいは、そういう子を見ているから、ママが心配性になるのだろうか。淀屋橋心理療法センター所長の福田俊一先生は次のように言う。
「お母さんが子どものことを心配しすぎてしまうことは確かにあると思いますが、もともとのきっかけは、その子の持ち味、持って生まれた性格や気質だと思いますよ」(福田先生 以下同)
例えば、夜泣きの有無や、寝つきの良さ・悪さ、体の丈夫さなどには個人差があるように、「育て方」に関係なく、環境に慣れる速度も違うという。
「むしろ育て方で変わってくるのは、その子の持ち味をうまく伸ばしていけたかどうか。親は、その子の持ち味を認めてあげることが、まず大切です」
では、「持ち味」を伸ばしてあげるためにはどうしたら?
「親と子の信頼感を強めることが大切です。それには普段から他愛のない話をたくさん聞いてあげることです」
●環境の変化に弱い子にはネガティブな話題でも頭ごなしに否定するのはNG
ママたちにとってもうひとつ不安なのは、「環境の変化に慣れない=友だちが作れないのではないか」ということ。
「確かに、友だちを作るのが上手な子、上手でない子はいます。でも、子どもはひとりでも理解者がいれば、安定するもので、お母さんに学校の様子などをいろいろ話すなら大丈夫です」
また、「〇〇くんって意地悪なんだよ」といったネガティブな内容であっても、それを頭から否定しないことが大切だそう。
「親がすぐに『そんなこと言ったらだめよ』などと否定してしまうと、子どもは次第に学校のことや、自分の気持ちを話さなくなります。批判精神が育っていく過程と考え、まずは子どもの話すことをだまって聞いてあげましょう」
子どもが自分から話したがることは、大人にとってはつまらない話題でも、その子の興味や可能性が詰まったものである可能性大。
どんなに忙しくとも、ときにはじっくりと耳を傾けてあげたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)