「SOSの出し方は、人それぞれです。まずは自分の子がどんなタイプかを知っておくことが大切です」と言うのは、淀屋橋心理療法センター所長の福田俊一先生。
「環境の変化に弱い子には、人一倍気を遣うタイプも多いです。その場合、親に心配をかけちゃいけないと思い、自分を抑える傾向がありますが、体にSOSが出ることも多いのです」(福田先生 以下同)
多い症状は「お腹を壊しやすくなる」「頭痛を訴える」「ジンマシンなどが出る」などだそう。これらの場合、病院に行っても何も診断がつかないことが多いという。
「ただし、自分で怒りや不満などを表面に出せるようになると、症状が治ることも多いんですよ」
●長所を伸ばすうちに短所が変わり、SOS行動が改善
また、落ち込んでふさぎこむタイプの場合、急に親と話さなくなるのが特徴という。
「ふさぎこむ子の場合、何があったのかなどと直接聞くのではなく、アニメでもゲームでもなんでも良いので、その子の得意分野の話にまず付き合ってあげると、次第にいろいろ話し始めますよ」
なかには「もう学校に行かない!」「クラスでうまくいかない」などと訴える子もいるけど、親はどう接するべき?
「訴えるタイプの子は、基本的に日頃から学校の様子などもよく話すので、まずはしっかり話を聞いてあげること。そのうえで、イジメられているのか、仲間に上手く入れないのかなど、情報を集めましょう」
ただし、子どもは気持ちをうまく表現できないことや、逆に、自分にとって都合の良いことだけ話すこともあるもの。
だからこそ、子どもの言うことをすぐに鵜呑みにするのではなく、「学校の先生に相談してみる」「周りのママ友などにそれとなく聞いてみる」など、多角的にみる必要があるそうだ。
また、親としては「変化になじめない」などの短所ばかり気になりがちだが、それを分かったうえで、無理に変えようとするのではなく、まずは長所を伸ばすサポートをしてあげることがオススメだそう。
「不思議なもので、長所を伸ばすとイキイキしてきて、自然と短所も良い方向に変わってくることがあるのです」
子どもが発するSOSは注意深く見守ってあげながらも、まずは他愛のない話をたっぷり聞いてあげ、「長所」に目をむけてみることが子どもの気持ちをラクにするのかも。
(田幸和歌子+ノオト)