●心を追い詰める“完璧主義”
とくに完璧を求める人は、そうしたネガティブな感情で心が凝り固まってしまいがちなのだとか。
「完璧主義の人はちゃんとやろうとするからこそ、ちょっとしたことにイライラしてしまうもの。たとえば、お弁当は栄養バランスもしっかり考えて、毎日何品作るというように決めていると、買い物するときに買い忘れをしないように、いつも気を張っていなければいけません。そうすると、完璧であろうとするからこそ、イライラや不満が溜まってしまうんです」(みずがきさん、以下同)
子どもにとっても完璧過ぎるより、ちょっと失敗するお母さんの方がいいのだそう。
「たとえば、もし何かうっかり忘れてしまったときに、子どもはお母さんのできない部分をカバーしようと、自分がしっかりしなきゃと思うため、伸びしろができます。一方、お母さんが完璧だと、逆に自分も失敗できないと思って、萎縮してしまうこともあります」
●完璧志向と解きほぐすには?
では、完璧志向に傾きがちな心を楽にするには、どうすればいいのでしょう?
「もともと繊細で神経質なタイプの方が、完璧主義になる傾向はありますが、とくにお母さんになると、子どものために一生懸命になろうとし過ぎてしまうがゆえに、完璧主義になってしまうケースが多いです」
しかし、それはなんといっても、子どもが掛け替えのない大切な存在だからこそと、みずがきさんは言います。
「なかには、幼稚園選びから習い事、すべてに悩んでいらっしゃいます。でも、極論をいえば、お母さんがどれだけその子のことを好きかということが伝わっていれば、どんな失敗も許されるんだということを分かっておいて欲しいと思います。誰よりも自分を好きでいてくれる人がいると思うと、子どもは生きていく勇気を持てるものなんです」
子育てに限らず、失敗できないというプレッシャーから、イライラ・モヤモヤが派生するのかもしれません。自分が完璧主義かもと感じる人は、失敗する姿を子どもに見せることをためらわず、適度に肩の力を抜いたほうがいいのかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)