●会社につぶされるタイプとは?
「男性は仕事において『自分を認めてほしい』という強い欲求を持っています。会社の都合に振り回されたり、激務で肉体的・精神的にやられたりしてしまうのは、自分自身を認められないタイプや『俺は、本当はスゴイのに!』と周りから認められたいタイプによく見られます。」(下木さん・以下同)
「自分はダメな人間だ」などと自己評価の低いタイプや、自己への理想が高く、上昇志向が高い性格の男性は「こうありたい」という理想と現実にギャップを感じやすく、自分の現状に満足できず精神的に追いつめられる傾向が強いという。
「上司に認めてもらいたくて、頑張りすぎてしまうのは20~30代の若い夫にみられる傾向です。それが評価や自分の充実感をもたらすこともあれば、自分をすり減らして押しつぶされてしまうことも…。これは、本人の性格や周囲の環境など多くの要素がからみ合っています」
●夫は家庭でも認められたい
男性の「認められたい」という気持ちは家庭においても同様だ。男性は、結婚すると「家族のために働く」という意識が強くなる。その努力を誰よりも妻に認めてほしいのだ。
「妻が『家族のために働くのは当たり前』という意識でいると、夫は家庭にやすらぎを感じられず、その上仕事も激務となると逃げ場を失います。『自分は生活のためのだけに働いているのか?』と虚しさを感じるのです」
大切なのは、夫を言葉でねぎらうこと。「上司が無茶すぎてやってられないよ」と愚痴る夫に、妻が「できないことは断ればいいのに」などと言うのはNGだ。
「夫は自分が頑張ったことへのフィードバックがほしいのです。そこを妻が夫の言葉どおりに受け取って『つらいなら辞めたら?』などと言ってしまうと『今辞められるわけないだろう』と言われて終わりです。辞められないことは夫が一番分かっているのですから」
夫をねぎらうためには、おいしいごはんを作ったり、靴を磨いたりするより、妻の『夫を認める言葉』が一番有効だ。「でも、断れないのもあなたのいいところだね」と、妻の一言で夫の心は救われる。
(ノオト+北東由宇)