産後クライシスにおちいる6つの理由

産後クライシスにおちいる6つの理由

第4回 産後クライシス-出産後に訪れる夫婦の危機
「産後クライシス」とは文字どおり、「出産後に起こる夫婦関係崩壊の危機」のこと。もし、あなたが不安に感じているなら、まだ間に合います。
その理由と対処法について、ただいま絶賛発売中の『産後クライシス〜なぜ、出産後に夫婦の危機が訪れるのか〜』の著者で、夫婦問題研究家の岡野あつこさんに、詳しいお話をうかがいました。

「出産後、夫に対しての愛情が急激に薄れていく」

この事実だけを聞くと、「マタニティーブルー」「育児ノイローゼ」といったキーワードが頭に浮かび、「産後クライシスも一緒じゃないか?」と思われるかもしれません。ただ、岡野あつこさんは「前者と比べ、産後クライシスはずっと根が深くて解決しにくい問題」だと指摘します。

「マタニティーブルーや育児ノイローゼは、おもな原因が“ホルモンバランスの変化”や“身体的な疲労”というフィジカル面から起こるもので、ほとんどはいつの間にか解決しているケースが多かったりします。しかし、産後クライシスは、フィジカル面だけではなく、“社会環境”や“時代”や“価値観”の問題にも関わってくるからやっかいなんです」

産後クライシス

では、産後クライシスをまねく具体的な理由とは、いったいどういったものなのでしょう? 岡野さんは著書中で下記の6つを挙げています。

1. 出産するとホルモンバランスが崩れる(「女性らしさ」より「母親らしさ」を高めるホルモン「プロラクチン」「オキシトシン」の増加……など)

2. イクメンに対する憧れとギャップ

3. マザコン世代の幼稚な夫(少子化によって母親の干渉を受けすぎ決断力が育たないまま結婚してしまう)

4. 稼げない夫の増加

5. インターネットの自慢合戦(自分のまわりには幸せそうな夫婦がいっぱいいる、と勘違いしてしまう)

6. 家族の孤立化(地域コミュニティの希薄化によって、子育てのサポート意識が失われていく)

なかでも、「2.イクメンに対する憧れとギャップ」が、実はもっとも深刻な理由なんだとか……。次は、その話をはじめとして、産後クライシスの予防法について、考えてみましょう。

 岡野あつこ
 岡野あつこ
株式会社カラットクラブ、NPO日本家族問題相談連盟理事長
夫婦問題研究家。24年間のカウンセリングにおいて、30,000件以上の夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。
夫婦問題研究家。24年間のカウンセリングにおいて、30,000件以上の夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。