3、念書の具体的な例文
本章では、以下のケースにおける念書の具体的な例文を紹介します。
- 交通事故
- 退職
- 離婚
- 財産分与
- 金銭借用
- 賃貸借契約
- 就業違反
- その他(ストーカーやセクハラ)
(1)交通事故
○年○月○日に私が引き起こした交通事故につきまして、〇〇様に多大なる迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。今後はこのような交通事故を二度と起こさぬよう注意を払っていきます。 |
私は、○○警察署前の交差点で〇〇様の車両の後部に誤って接触し、〇〇様の車両に損傷を与えました。誠に申し訳ございませんでした。〇〇様の車両の損傷部分修理代金につきましては、私が加入している自動車保険の保険金にて必ず賠償させていただくことをお約束いたします。事故処理につきましては、○○警察署にて処理済みです。 |
私は、携帯電話を片手で操作しながら自転車を走行し、〇〇様に接触して全治〇日のお怪我をさせてしまいました。 今回の事故は、私が自転車運転の交通ルールに反していたことが原因であり、深く反省すると共に〇〇様にお詫びいたします。 つきましては、今後二度と携帯電話を操作しながらの自転車走行をしないことを誓い、念書を提出いたします。 |
(2)退職
1.私は、貴社在職中に知り得た機密情報及び個人情報について一切外部に漏らしません。 2.私は、貴社在職中、貴社より職務上交付を受けた業務上の資料及びデータならびにその複製物の一切を貴社に返還いたします。 3.上記項目の違反により貴社が損害を被った場合、その損害の一切を賠償することを約束いたします。 |
(3)離婚
①養育費を支払うことの念書
私〇〇は、元妻△△との離婚に際し取り決めた子××の養育費の支払いが滞りました。誠に申し訳ございませんでした。今後は養育費を遅滞なく支払うことを約束いたします。 |
②不貞行為における慰謝料を支払うことの念書
私は、妻△△との離婚に際し、私の不貞行為が離婚に至った原因であること及び私が妻△△へ精神的苦痛を与えたことを認め、下記のとおり慰謝料を支払うことを確約し念書を差し入れます。
記
1.支払期日 令和〇年〇月〇日 2.金額 □□□円 3.支払方法 (指定口座への振込み) |
③DVにおける離婚に関する念書
私は、今後二度とあなたに対して暴力をふるわないことを約束いたします。再び暴力行為に及んだ場合は即座に離婚を承諾するとともに、□□□円以上の慰謝料及び子の養育費を支払うことを約束いたします。 |
④離婚慰謝料を支払うことの念書
私は、元妻△△との離婚に際し取り決めた慰謝料の内〇月までの□□□円につき支払いを怠ったことを認め、速やかに〇月末までに支払うことを確約いたします。再び支払い期日を遅れた場合は期限の利益を喪失し、残額を直ちに支払うことを確約する証としてここに念書を差し入れます。 |
(4)財産分与
財産分与は、離婚に際して重要な事項になります。
「離婚協議書」の形で、公正証書として作成することをおすすめします。
文例としては、以下のようなものを入れましょう。
〇〇(夫)と△△(妻)は、離婚における財産分与として、両者の共有名義の下記不動産を△△(妻)の所有とすることとし、〇〇(夫)は令和○年○月○日までに離婚による財産分与を原因とする所有権移転登記をするものとする。 |
(5)金銭借用
このたび、私が○年○月○日に〇〇様から借用いたしました金銭〇〇〇円につきましては、〇年〇月〇日(返済期限)までに必ず返済することを約束いたします。 |
私は、〇〇様より借用いたしました金〇〇円につきまして、下記のとおり返済することを約束いたします。 記 1.返済期限 令和〇年〇月〇日 2.年利息 〇〇% 3.返済方法 令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日まで元利均等分割弁済。 毎月〇〇日 金〇〇〇円 合計〇〇回(ただし最終回の返済は金〇〇円とする。) |
株式会社〇〇は、貴社に対する売掛金を下記のとおりお支払いすることを確約いたします。万が一支払いを怠った場合は期限の利益を喪失したものとみなし、遅延利息として年率○%の金利を付加してお支払いいたします。 記 1.支払期日 令和〇年〇月〇日 2.支払い金額 金〇〇○万円也 3.支払先 貴社銀行口座(〇〇銀行〇〇支店 口座番号〇〇) |
(6)賃貸借契約
○○マンション(住所)○○号室の家賃を家主○○様に、○年○月○日までに全額支払うことをお約束いたします。 |
(7)就業違反
私は今後一切、就業時間内に私的な要件を行うこと及び怠慢な態度による職務遂行をいたしましせん。もしこれらの行為をした場合は、懲戒解雇処分になっても不服申し立てをいたしません。 |
私は今後一切、特段の理由がないにもかかわらず無断で会社を欠勤することをいたしません。万が一無断で会社を欠勤した場合は、懲戒解雇処分になったとしても不服申し立てをいたしません。 |
私は、社内で定められている就業規則に違反し、持ち出し禁止となっている会社の資料を社外に持ち出しました。これにより会社ならびに社内の皆様にご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございませんでした。今後このような過ちを繰り返さぬよう深く反省し、就業規則を厳守することを固く誓います。 |
私は、今後二度と業務上だけでなく私生活においても下記の行為をしないことをお約束いたします。 万が一下記の行為をした場合、懲戒解雇処分になったとしても不服を申し立てません。 記 1.飲酒をして車両の運転をすること 2.飲酒終えた後8時間を経過せずに車両を運転すること |
(8)その他
本項では、「ストーカー行為」と「セクハラ行為」における念書の例を紹介します。
①ストーカー行為
私は、今後二度と〇〇様の周囲に近づいたり、電話やメールなどによるストーカー行為をしたりしないことを約束いたします。再びこれらの行為に及んだ場合、即座に警察へ通報していただいてかまいません。 |
②セクハラ行為
私は、今後二度と下記のようなセクハラ行為をしないことをお約束いたします。 もしこれに違反した場合は、会社のいかなる決定にも従います。 記 1.女性社員へ性的言動をすること。 2.女性社員へ業務外で電話をすること。 3.女性社員に身体的接触をすること。 4.女性社員の酒宴への出席を強要すること。 5.その他、セクハラとなる虞のある行為をすること。 |
4、念書のテンプレート
念書には、基本的に下記事項を記載します。
- 日付
- 署名及び捺印
- 念書でかわす内容
一般的なテンプレートとしては以下のような内容になります。
念 書
私は、下記の事項を遵守することを約束いたします。
記 1. 2. 3. 以上
令和○年○月○日
住所 ○○県△△市×× 氏名 ○○ ○○ (印) |
配信: LEGAL MALL