未来に活きる教育!社会やビジネスを学ぶ「ヒーロー幼児園」

未来に活きる教育!社会やビジネスを学ぶ「ヒーロー幼児園」

パッと目立つ赤と黄色のユニフォームを着た子ども達は、2021年に開園した「ヒーロー幼児園」の園児。”最先端な究極の英才教育”を謳う園では、今まで幼児教育で見かけない独自のカリキュラムを実施していました。今回、そんな「ヒーロー幼児園」の代表・福嶋さんにお話を伺いました。

「ヒーロー幼児園」とはどんな園?

パパが考えた子どもの未来の姿

今回、お話を伺ったのは、東京都港区にある「ヒーロー幼児園」を運営する株式会社ヒーロープロデューサー代表の福嶋さん。園では社会学習の時間も担当しています。

元々社会人・大学生向けの人材・キャリア育成の分野で働いていましたが、自身が親として子どもと接する中で、色んなものを吸収できる幼児期を過ごす園で、もっと子どもの可能性を広げられることができるのではないかと考え、幼稚園での教育に長く携わる先生たちと共に、自身がキャリア教育などで培った経験を取り入れた幼児のための独自のカリキュラムを考案、園の開園へと繋がっていきました。

福嶋さんの「AIなどの技術開発も日々進んでいて、現在ある職業も将来的になくなるかもしれない今の時代。“社会で活躍する人はどんな人か?”と考えたとき、子ども達には、20年後、30年後の世界で活躍する、生きていける人間力を育てたい」という思いの元、未来のヒーローを育てることを目指しています。

多彩で幅広いカリキュラム

ヒーロー幼児園では”最先端な究極の英才教育”というコンセプトの元、様々な分野で高レベルなオールマイティ型の教育を目指しており、園でのカリキュラムには、様々な科目が取り入れられており、語学、計算、スポーツ、音楽、社会教育、IT、自然体験などがあります。

年間を通して園外活動も多く、富士登山をはじめ、実際のてんぷら屋さんで開店準備の掃除や簡単な調理などをする職業体験、造幣局など社会に関わる施設への見学など、幼児には一見難しそうなことも一つの経験となるよう積極的に行なっています。


子ども達の可能性を制限せず、いろんなことに触れさせて、体験してもらうことで、子ども自身が自分の好きなことや楽しいこと、興味を持てるものを見つけること、夢を持つきっかけ作りの機会をたくさん作っています。

子どもの世界、可能性を広げる

社会やビジネスに慣れ親しむきっかけに

ヒーロー幼児園で一番特徴的なカリキュラムが「社会(ビジネス)教育」です。これまでの幼児教育にはない、社会の仕組みやビジネスに関わる分野の学習時間になります。園で働く先生も知らないことも出てくるので、福嶋さんが担当しています。

「社会(ビジネス)教育と聞くと、幼児には難しいと思われるかもしれないですが、子どもたちは、知らないことに、すごく興味を持って、どんどん吸収しています。」と、福嶋さんの予想以上に子ども達の反応がよく驚いたと言います。

今まで社会やビジネスのことは社会人になってから経験して覚えていくことが多かったと思います。しかし小さい頃から知っていれば、やりたいことを叶えるための道筋を早く立てることができます。これは子どもの夢ややりたいことを叶える一歩、社会人になる時の土台になります。

ゲームで楽しく社会・ビジネスを知る

子どもたちに、興味を感じてもらうため、楽しくて飽きないよう教材にも工夫が凝らされています。園で使っているもので、一番特徴的な教材が「仕事ボードゲーム」。学生や社会人向けの教材を、幼児教育に関わる先生と幼児向けに落とし込み開発したもので、子どもの成長に合わせて、異なるテーマのものを使って活動を行います。

一番初めにやるものは「職業」に関するボードゲーム。パイロットやYouTuverなどの色んな職業がマスに書かれており、止まったマスの仕事をしてお給料をもらい一番多くお給料をもらった人が勝ちという簡単なゲーム。持ってるお給料を増やせる資格試験や学校へ行くマスや必ず止まらなければいけない税金支払いのマスなど、「働くこと」について体験できます。

その後、株を買ったり、売ったり、会社が倒産したりなどの新たな要素が入った「ビジネスボードゲーム」、仕入れや納品、お客様のニーズにそって商品を作るといった要素が入った「メーカーボードゲーム」など子どもの理解にあわせて次のテーマに進みます。

どのゲームも社会や会社のルールがうまくゲームのルールに落としこまれており、ゲームを楽しみながら自然とビジネス感覚を身につけることができるようになっています。

またカードの教材もあり、仕事内容と職業をクイズ式で当てるお仕事カードのほか、「学校はなぜ行くの?」「税金って何?」といった社会生活に関わるカードも使いながら、仕事・職業の世界、社会の仕組みについて楽しく知ることができるようになっています。

現在、「お金だけが幸せじゃない」ことを伝えるためのボードゲームも準備しているそうで、生きていく上で大切なこともしっかり伝えるようにしたいと考えています。

ビジネスで大切な要素を取り入れたカルタも活動で取り入れており、例えば、「お」なら「お手伝いをしよう」、「く」なら「悔しさをバネに」、「ひ」なら「人のせいにしない」など、大人になっても覚えていてほしい、大切なことを読札に入れています。

何度もやるうちに暗記してしまって、富士登山の途中で辛い時には「カルタの”さ”は?」「最後までがんばる」など言いながら、励ましあうという姿もあったそう。

PDCAの考え方を身につける

PDCAの考え方を身につける

ほとんどの活動と結びついている「振り返り」も珍しい取り組みです。ボードゲームなどでも、作戦会議という名の目標設定、実行、振り返りのサイクルを取り入れるようにしています。

いわゆるPDCAの考え方が身につくと、どんなことに対しても、目標設定から実行、振り返りを行うことができるようになるため、夢ややりたいことの実現のため、何が必要なのか自分で考え、決断・実行できるようになっていきます。

また、その日やったドリルやプリントなどを必ず家に持ち帰ってもらい、家庭で親子で振り返る時間も作ってもらうようにしているそう。家族同士のコミュニケーションツールの一つとして、また子どもの自信、やる気や次の目標を与えてくれる時間、きっかけに繋がるのだといいます。

継続力、コミュニケーションも学ぶ

社会教育以外の活動でも、さまざまな力が育つように、普段のカリキュラムの時間や内容にも工夫が凝らされています。例えば、毎日20分ずつ「読み書き」「計算」「音楽」「体操」は必ず実施しています。

これは学習面、体力面だけでなく、毎日継続すること・習慣化の目的も意識しているとのこと。小さい頃から継続すること、習慣にするを身につけておくことで、今後小中高なら宿題や課題に、大人になったら仕事の勉強や運動、読書や日記をつけるなどの良い習慣づくりに活きていきます。

自分の声に出して話したり、考えたことを整理して話したりすることで、人前で話すことへの慣れやコミュニケーション力を育てることも大事にしており、日々の朝の会や帰りの会の際、今の気分や今日の感想を発表するような時間を設けたり、読書の時間では、年中さんくらいから、友達への読み聞かせ、本の内容を友達に伝える機会を作ることも積極的に行なっています。

たくさん勉強していて、子どもがついていくのが難しいのではと不安になってしまいますが、実は園ではできる、できないはあまり重要視していないそう。

「先生が教えるのではなく、その子がちょっと頑張ればできる内容を、自分で考えて解決できるようにサポートするかたちをとっています。子どもそれぞれの学習ペースで進め、それぞれの子がやる気を維持できることが大切」とし、できないからやめるのではなく、子ども自身にできるようになるためにはどうするかを考えてもらうよう、少しずつでもできるようにサポートするという、そっと寄り添うようなケアをしています。

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