ミルクと母乳の栄養面での違い
母乳は赤ちゃんに最適な成分組成であり、体への負担が少ないことが知られています。
いっぽうで、育児用ミルクは母乳の成分に近づけて作られたものであり、基本的な成分構成にはほとんど差はなく、現在使用されているミルクによって栄養素の欠乏や過剰はほとんどないと考えられます。
栄養素以外では、出産後間もなくの母乳は「初乳」と呼ばれ、免疫物質が含まれていることがミルクとの違いといえそうです。
また、お母さんがお酒を摂取した場合に母乳にもアルコールが移行してしまうなど、お母さんの食事やお薬の影響を受けやすい特徴もあります。
これに対して、育児用ミルクでは良くも悪くも成分の変動はないため、お母さんの食事や服薬の制限が必要ないというのも特徴でしょう。
栄養面以外でのメリット・デメリットは?
ミルクと母乳を比較するにあたって、比べるべきは栄養面だけではありません。
母乳のメリットは
・産後の母体の回復を促進する(子宮の回復、体重を早く戻す、生理再開を遅らせる)
・調乳や消毒が不要(完全母乳の場合)
・ミルク代が不要(完全母乳の場合)
・乳児突然死症候群の発症率の低下
・小児期の肥満やのちの2型糖尿病の発症リスクの低下
…などが挙げられます。
対して、ミルクのメリットは
・母親以外もあげることができる
・授乳量が把握しやすい
・乳頭損傷や乳腺炎などのトラブルがない(完全ミルクの場合)
…など、それぞれにメリットもあるため、一概にどちらがよいと決めるのは難しそうです。
また、少し前までは母乳で育てると食物アレルギーになりにくいなどの説がありましたが、現在では否定されています。
配信: イマカラ