初正月に羽子板を飾るのはなぜ?選び方や相場も紹介!

初正月に羽子板を飾るのはなぜ?選び方や相場も紹介!

女の子の初正月には、これからの健やかな成長を願って羽子板を贈ります。昔からの風習ですが、なぜ羽子板を贈るようになったのでしょうか?この記事では、羽子板の由来や選び方、相場をご紹介します。孫や子どもに初正月を迎える女の子がいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。

初正月ってどんなお正月?

初正月は、初宮参り(お宮参り)や初節句ほど広く知られていないので、「普通のお正月となにが違うの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

羽子板について解説する前に初正月とはなにかをお伝えしていきます。

初正月は一生に一度の特別なお正月

初正月とは、赤ちゃんが生まれてはじめて迎えるお正月のこと。これから毎年迎えるお正月とは違い、初正月は一生に一度きりの、とても特別なお正月です。

現代ほど医療が発達していなかった時代は、赤ちゃんが無事1歳を迎えるのは大変なことだったといわれています。

また、昔は生まれたときを1歳とし、お正月にひとつ歳をとる「数え年」が一般的であったため、初正月は赤ちゃんにとって「はじめて歳を重ねる日」でもありました。

これらのことから、赤ちゃんが無事初正月を迎えることができたこと、数え年で2歳になったことを祝い、初正月を盛大にお祝いしていたそうです。

羽子板を贈って健やかな成長を願おう

女の子の初正月には、赤ちゃんの健やかな成長を願って羽子板飾りを贈る家庭が多いです。

昔から、羽子板には魔除けや無病息災の意味があり、赤ちゃんを守ってくれるといわれています。

中には「羽子板以外にも、何かしきたりがあるの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、初正月だからといって特別なことをするわけではありません。

お正月に集まった家族や親戚に、赤ちゃんをお披露目するよい機会です。みんなで初詣に行ったり、赤ちゃんを囲んでおせちを食べたりするだけで、十分特別な1日になりますよ。きっと親戚の人も、赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてくれているはずです。

お祝いをお金で贈る・もらうのはあり?

ママやパパの中には、スペースなどの問題で、「羽子板はいらないな…」と考える人も少なくないのではないでしょうか。そのような場合は、祖父母が「大切な孫に初正月祝いを贈ってあげたい」と考えても、断られてしまう可能性もあります。

しかし、初正月に何もしないというのも寂しいもの。

「どうしても羽子板や破魔矢を飾るスペースがない」などの理由がある場合は、代わりに現金を贈って、お祝いの気持ちを伝えましょう。大切なのは、赤ちゃんを思う気持ちです。

羽子板の代わりに現金を贈る場合は、封筒に「初正月祝い」と記載し、羽子板や破魔矢の相場を超えない程度の金額に抑えるとよいでしょう。

初正月の羽子板はいらない?飾るべき理由や飾り方を解説!

どうして羽子板を贈るの?

お正月遊びのひとつである羽根つき。遊び道具であった羽子板は、次第に装飾品として初正月を迎える女の子に贈られるようになりました。

ここでは、女の子に羽子板が贈られるようになった理由を解説します。

羽子板の由来

室町時代の文献『下学集(かがくしゅう)』には、「正月に羽子板を用いた」と書かれており、これは羽子板が記載された最初の文献だといわれています。

このように古くから女の子の遊びとして親しまれてきた羽根つきですが、実はただの遊びではなく、「邪気をはね(羽根)のける」邪気払いとしてもおこなわれていました。

そこから時代と共に形態が変化し、羽子板は邪気払いとしてお正月に飾られるようになり、お守りとして女の子の初正月に贈るようになったそうです。

羽子板の羽根には「無患子(ムクロジ)」と呼ばれる黒くて硬い玉がついていることから、「子が患わないように」という願いが込められています。また、羽根が「疫病を運ぶ蚊を食べるトンボ」に見えることから疫病避けの意味もあるそうです。

男の子には何を贈るの?

男の子の初正月には「破魔矢(破魔弓)」を贈り、赤ちゃんの健やかな成長を祈ります。

その昔、弓矢の矢が風を切る音、弓の「びぃん」となる音が、魔を遠ざけると考えられていました。そして魔除けの意味を込め、お正月には「射礼(じゃらい)」と呼ばれる儀式がおこなわれていたそうです。

そこで使われた矢を「ハマ矢」といい、「魔を破る」という意味を込めて「破魔矢」という漢字がつけられました。やがて、破魔矢(破魔弓)は「魔除け」のお守りとして、初正月を迎える男の子に贈られるようになったといわれています。

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