「植物ミルク」って何?
植物ミルクは「植物由来のミルク状(=白い液状)の食品」を指すもので、牛乳が含まれているわけではありません。
原料となるのは大豆などの豆類、米や麦のような穀類、アーモンドのようなナッツ類、その他ココナッツや麻の実(ヘンプ)などの植物性食品です。
いずれも水分を含ませた原料から絞った液汁に味や品質を整えるための副材料が加えられたもので、加工食品の一種です。
このため、細かい製法や原材料は製品によっても異なるという特徴もあります。
各種植物ミルクの栄養価は?
日本国内で今のところ手に入れやすい植物ミルクは、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、オーツミルクなど。
これら植物ミルクについて、栄養的な特徴をまとめてみました。
とはいえ、植物ミルクは製品による原材料の違いや砂糖使用の有無によるバリエーションによっても栄養価が異なるため、あくまで参考に。
今回はなるべく標準的なものを選定しました。
■豆乳(主原料:大豆)
市販品の原材料の例:大豆(カナダ又はアメリカ)(遺伝子組換えでない)、砂糖、米油、天日塩 / 乳酸カルシウム、乳化剤、糊料(カラギナン)、香料
栄養価
エネルギー58kcal
たんぱく質3.5g
脂質3.9g
飽和脂肪酸0.61g
コレステロール0.0㎎
炭水化物4.8g
食物繊維0.4g
*100mlあたり、キッコーマン 調製豆乳 商品情報より
植物ミルクの中では最も身近であろう豆乳。
大豆以外の原材料を使っていないものは無調整豆乳ですが、飲用には調味料等を加えた調整豆乳が一般的です。
植物ミルクの中では比較的たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスが牛乳に近く、代用しやすいものといえるでしょう。
日本標準食品成分表(八訂)のデータでは、牛乳と比較すると葉酸や鉄分がやや多め、カルシウムは少なめです。
■アーモンドミルク(主原料:アーモンド)
市販品の原材料の例:アーモンドペースト、砂糖、食物繊維(イヌリン)、果糖ぶどう糖液糖、デキストリン、ハチミツ、植物油脂、食塩、アーモンドオイル加工品/pH調整剤、香料、セルロース、乳化剤、炭酸Ca、増粘剤(キサンタンガム)、ビタミンE
栄養価
エネルギー40kcal
たんぱく質0.6g
脂質1.6g
コレステロール0㎎
炭水化物7.0g
食物繊維2.0g
ビタミンE5.0㎎
*100mlあたり、グリコ アーモンド効果オリジナル 商品情報より
アーモンドを原料としたアーモンドミルクにも、砂糖を使ったタイプと不使用タイプがありますが、一般的なのは砂糖使用タイプです。
たんぱく質や脂質は少なく、炭水化物が多いため、牛乳の栄養価とはあまり似ていません。
細かい栄養成分のデータは得られませんでしたが、市販品ではビタミンEが強化されたものが一般的なようです。
■ライスミルク(主原料:米)
市販品の原材料の例:米、米麹
栄養価
エネルギー50kcal
たんぱく質0.5g
脂質0.1g
コレステロール0.0㎎
炭水化物12.1g
食物繊維0.1g
糖質12.0g
*100mlあたり、福光屋 プレミアムライスミルク 商品情報より
ライスミルクは米に米麹を加え、甘酒に似た製法で作られます。
甘酒に比べるとさらっとしており、たんぱく質や脂質は極めて少なく、牛乳の栄養バランスとはかなり異なる食品です。
細かい栄養成分のデータは得られませんでしたが、似た食品である甘酒の栄養成分から推察するに、ビタミンやミネラル面での特徴はあまりなさそうです。
■オーツミルク(主原料:燕麦)
市販品の原材料の例:オーツ麦(えん麦)、食物繊維(イヌリン)、ひまわり油、食塩/リン酸カルシウム、増粘剤(ジェランガム)、ビタミンB2、ビタミンD2、ビタミンB12
栄養価
エネルギー46kcal
たんぱく質0.3g
脂質1.5g
コレステロール0㎎
炭水化物8.7g
食物繊維1.5g
カルシウム120㎎
*100mlあたり、ダノンジャパン ALPRO たっぷり食物繊維オーツミルク ほんのり甘い 商品情報より
麦の一種「燕麦(えんばく)」が原料となるオーツミルクは、酵素処理により製造される点はライスミルクと似ているかもしれません。
たんぱく質や脂質が少なく、今回データを確認した商品ではカルシウムが強化されており、牛乳よりやや多めに含まれています。
このほか、落花生や麻の実(ヘンプ)、クルミ、エンドウ豆、カシューナッツなどを原料とした植物ミルクもあるようで、将来的にいろいろなものが手に入るようになるかもしれませんね。
配信: イマカラ