トマトの食べ過ぎに注意…?症状や一日の目安量を紹介【管理栄養士執筆】

トマトの食べ過ぎに注意…?症状や一日の目安量を紹介【管理栄養士執筆】

夏野菜の代表格「トマト」。健康維持のために積極的に食べている方も多いのでは?しかし、トマトを食べ過ぎると体調不良につながるおそれがあるため、注意が必要です。この記事では管理栄養士が、トマトを食べ過ぎるとおこる症状や、一日に何個まで食べて良いかを詳しく解説します!

トマトを食べ過ぎるとどうなる?

トマトの食べ過ぎによる症状5つ

1. 体を冷やす

2. 下痢や腹痛を起こす

3. 結石につながるおそれ

4. かゆみや蕁麻疹が出るおそれ

5. 手が黄色くなる

1. 体を冷やす

トマトの原産地は南米という温暖な地域ということもあり、薬膳の考え方では体を冷やす食べ物に分類されます。トマトのような体を冷やす食品を食べ過ぎると、内臓が冷えて胃もたれやおなかのハリにつながるおそれが。

冷え性の方はトマトの食べ過ぎに注意するほか、スープや煮物など、トマトを加熱して食べるのがおすすめです。(※1,2)

2. 下痢や腹痛を起こす

暑い季節は冷やしたトマトがおいしく感じますが、冷たいものを食べ過ぎて胃腸が冷えると、胃腸の機能が低下して下痢につながる場合があります。

また、トマトに含まれている水溶性食物繊維を摂り過ぎると下痢の原因に。一般的な食生活では過剰摂取になりにくいですが、食物繊維のサプリメントを摂っている方は注意が必要です。(※3,4,5)

3. 結石につながる

尿路結石を構成する成分のひとつであるシュウ酸は、ほうれん草やたけのこのほか、トマトにも含まれています。尿路結石は再発しやすいため、過去に尿路結石ができた方は食べ過ぎないようにしましょう。

カルシウムは尿路結石の対策に役立つため、トマトを食べる際は、カルシウムが豊富な乳製品や小魚と組み合わせるとよいですよ。(※6,7)

4. かゆみや蕁麻疹が出るおそれも

トマトにはアレルギー反応に関わる化学伝達物質が多く含まれており、かゆみや蕁麻疹を引き起こすおそれが。とくに大量摂取すると強い症状が出やすいため、注意が必要です。

また、トマトは口腔アレルギー症候群の原因物質のひとつ。トマトを食べてアレルギー症状が出たら、食べるのをやめて医療機関に相談しましょう。(※8,9,10)

5. 手が黄色くなる

トマトに多く含まれているカロテンを摂り過ぎると、色素が沈着して手が黄色くなる場合が。「柑皮症」と呼ばれる症状で、名前の通りみかん(蜜柑)を多く摂る人がなりやすいです。

トマトのほか、みかんをはじめとするかんきつ類や、野菜ジュースを多く摂る方は注意してくださいね。(※11)

トマトの栄養と効果効能

トマトの栄養と効果効能

きれいな肌作りをサポートする「リコピン」

老化対策に役立つ「β-カロテン」

皮膚の健康を維持する「ビタミンC」

むくみ対策に役立つ「カリウム」

きれいな肌作りをサポートする「リコピン」

食べ過ぎには注意が必要なものの、トマトには美容や健康に役立つ栄養が豊富。トマトの代表的な栄養素であるリコピンは、トマト100gあたりに3~5mgほど含まれています。

リコピンはメラニンの生成を抑える作用があり、シミ対策に役立ちますよ。また、コラーゲンの産生を促すはたらきも。美しい肌作りにおすすめの栄養素です。(※12,13)

老化対策に役立つ「β-カロテン」

トマト100gあたりには、β-カロテンが540μg含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されるほか、強い抗酸化作用があるのが特徴です。

β-カロテンは、体内で過剰になると細胞の老化を引き起こす、活性酸素のはたらきを抑えてくれます。老化によるシワやシミが気になる方は、ぜひ意識して摂ってみてくださいね。(※4,14,15)

皮膚の健康を維持する「ビタミンC」

トマト100gあたりには、ビタミンCが15mg含まれています。ビタミンCはコラーゲンの合成に関わっており、皮膚の健康維持に欠かせない栄養素です。また、鉄の吸収を促すはたらきもあります。

ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、生のまま食べられるトマトなら、栄養を無駄なく摂れますよ。(※4,16)

むくみ対策に役立つ「カリウム」

トマト100gあたりには、カリウムが210mg含まれています。カリウムは、摂り過ぎるとむくみの原因になる、ナトリウム(塩分)の排出を促す作用があるミネラルです。

濃い味付けが好きな方や、加工食品をよく摂る方は塩分の過剰摂取につながりやすいため、トマトのようなカリウムが豊富な食品を意識して食べてくださいね。(※4,17)